検索窓
今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:16,993 hit

30 ページ30

「う、浮所くん」


「...ごめん」


浮所くんはすぐに手をほどいてくれた。


「...お母さん心配するから帰らなきゃ」


「家まで送るよ」


私が歩き出すと隣に並ぶ浮所くん。
車のライトが私達を照らしては曲がっていく。
やがて大通りから薄暗い住宅街に入り、私の家が見えてきた。


「聞かないの?」


「うん」


どうして、と言いたかったけど聞かれたところで何も話せない。
私から聞いたくせに返事ができなかった。


「言いたくないかなって」


家の前へ到着したとき浮所くんが口を開いた。


「そっ、か...送ってくれてありがとう」


あぁ、そうだった。
浮所くんはすごく優しい人だった。


「おやすみ」


「おやすみ」


家のドアを閉める時、まだ門の外に浮所くんがいるのが見えた。目が合うと彼は軽く微笑んだ。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちょこころね | 作成日時:2018年12月23日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。