今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:16,993 hit
小|中|大
30 ページ30
「う、浮所くん」
「...ごめん」
浮所くんはすぐに手をほどいてくれた。
「...お母さん心配するから帰らなきゃ」
「家まで送るよ」
私が歩き出すと隣に並ぶ浮所くん。
車のライトが私達を照らしては曲がっていく。
やがて大通りから薄暗い住宅街に入り、私の家が見えてきた。
「聞かないの?」
「うん」
どうして、と言いたかったけど聞かれたところで何も話せない。
私から聞いたくせに返事ができなかった。
「言いたくないかなって」
家の前へ到着したとき浮所くんが口を開いた。
「そっ、か...送ってくれてありがとう」
あぁ、そうだった。
浮所くんはすごく優しい人だった。
「おやすみ」
「おやすみ」
家のドアを閉める時、まだ門の外に浮所くんがいるのが見えた。目が合うと彼は軽く微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
144人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこころね | 作成日時:2018年12月23日 8時