ふたり乗り (ページ29)

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家に帰り、風磨先生に言われた通り
追加宿題のプリントをノートに貼っていると
スティック糊の残りが無いことに気づいた。

｢お母さん、ちょっとコンビニ行ってくる｣

｢暗いから気をつけなさいね｣

ドアを開け外に出るとひんやりと冷たい空気に包まれる。

家の門を開けると同時に那須くんの家のドアが開いた。ドアから出てきたのは女の子と那須くん。

｢雄登、久しぶりに会えて嬉しかった。｣

｢俺も。｣

｢またしばらく会えないなんて寂しいなぁ｣

｢いつもビデオ通話かけてくるくせに｣

｢だめー？｣

｢いいよ｣

よく顔を見てみるとあの写真に写っている女の子だった。
やっぱり勘違いなんかじゃなかった。胸がどうしようもないくらい苦しくて、痛くて。

私は声がしなくなるまで家の門の影に隠れた。
ドアが閉まる音がした後、コンビニに向かった。

歩きながら目からポロポロと零れ落ちるものを感じた。

ぐしゃぐしゃの顔を俯かせながらレジに向かい、コンビニを出ると

｢A？｣

浮所くんが立っていた。

｢こんなところで何して.......｣

近くに寄ってきた浮所くんと目が合う。

｢...どうした？｣

｢大丈夫大丈夫｣

その言葉とは裏腹にどんどん溢れてくる涙。
浮所くんはそんな私をじっと見ている。
困らせてしまっているなあ、と思いながらも
今の私は全くコントロールが効かない。

しかしすぐに暖かい何かに包まれた。

どういう状況かなんて
すぐにわかった。