ふたり乗り (ページ24)

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インターホンを鳴らすが誰も出ない。

｢...今鍵出すわ｣

那須くんは私の肩にもたれかかりながら
ドアを開ける。

部屋の場所を聞くと2階らしく
上がるのは大変なので
リビングのソファに寝かせることにした。

｢那須くん、これすっごく効くから｣

コップに水を注ぎ
ドラッグストアで買ってきた薬を
那須くんに渡す。

｢...あの、那須くんの部屋から掛け布団とってきてもいい？｣

｢あぁ、ありがと｣

２階に上がり那須くんの部屋らしきところに入る。

黒と白で統一され、難しそうな書物が並んだ部屋。

ベッドから掛け布団と枕を取り
立ち上がったとき、カタンと音がした。
振り向くと棚の上で倒れている写真立て。
幸いにも割れてはいないようだった。

私は立て直そうと手を伸ばすが、
目に飛び込んできたものは私の心を突き刺した。

私はそれを雑に置いて
慌てて部屋を出る。

那須くんの隣に写っていた女の子。
私の知らない子だった。

今にも溢れ出しそうな涙を抑え、
下に戻ると那須くんは眠っていた。
彼に布団をかけ、家に戻ろうかと考えたが
このまま放っておくわけにもいかない。

とにかく気を紛らわせるために
お粥を作ることにした｡