ふたり乗り (ページ22)

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隣に座ったはいいものの
何となく緊張して話題が出てこない。
沈黙が続いて困っていると
那須くんの方から話しかけてくれた。

｢ライン返せなくてごめん。寝てた｣

｢いや！ううん！ほんとに大丈夫？無理して来ない方が...｣

｢大丈夫だよ｣

｢それならいいけど、｣

そしてまた沈黙になってしまった。
何から話せばいいのかわからない。
どうしよう、と考えていると料理が運ばれてきた。

｢あ、那須くん！食べ物とるから、食べたいやつ言って｣

｢ありがと。じゃあー、サラダと唐揚げとピザと...あと...｣

｢あと？｣

肩に何か重みがかかった。

振り向くと那須くんの頭がコテンと
私の肩に乗っていた。

顔を覗くと真っ赤になって息を荒くさせている。

｢那須くん！？え！ちょ、家帰ろう？｣

那須くんの腕を肩に回し席を立って
浮所くんに声をかける。

｢俺、那須運ぶからAは荷物持って！｣

那須くんを浮所くんに預け、
私は急いで自分と那須くんの荷物を持ち
店の外へ出た。