ふたり乗り (ページ16)

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絵の具パレットを洗っていると
隣の水道に浮所くんが来た。

｢ね～A～文化祭一緒に回る人とか決まってる？｣

｢まだだけど｣

｢じゃあ俺と那須と昼飯食べない！？そのあと時間あったら回ってさ！｣

那須というワードにドキッとして
パレットを落としそうになった。
｢いいよ｣と答えると
｢那須ーーー！！｣と浮所くんは上機嫌に教室に戻っていった。

なんで私を誘ったのかは不思議だが
とにかく文化祭を少しでも那須くんと過ごせることが嬉しくて舞い上がる。

教室に戻るとみんながシフト決めをしていた。
次々と黒板に名前を書いていくので、私も書こうと思い列に並ぶと

｢たまごちゃん書いてあるけど｣

と那須くんが言ってきた。
彼の指さした方向を見てみると

10時半～12時
エッグプラント、エッグ

と書いてあった。

｢いや、私これ書いてない...｣

それを言った後に那須くんと2人のシフトだということに気づく。
今の言わなければ良かったかも、と思っていると

｢これ、浮所の字だよね？｣

と那須くんが言った。

｢そう？｣

｢絶対そう。エッグプラントとエッグって書くのとか浮所しかいないし｣

と彼は笑いながら言う。

そのとき彼の後ろにいた浮所くんと目が合って
小さくグーサインをされた。
まさかと思って聞きに行くと

｢ねぇ書いたの浮所くん？｣

｢いひひひ、そう！！｣

｢...もしかして知ってた？｣

｢だって、Aわかりやすいんだもん～！
それに始業式の日にあんなことあっちゃ、なんもないわけ無さそうじゃん？｣

そんなことを言われて、
一気に恥ずかしくなる。

｢誰にも言わないでよ！？｣

｢うん、言わない言わない！｣

｢ほんとに？｣

疑うような目で浮所くんを少し睨んだ。

｢それより他に言う言葉あるんじゃない？一緒のシフトにするの大変だったんだよ！那須とやりたいっていう女子結構多くてさ～｣

｢それは、ありがと｣

｢ん｣

まぁでも、と浮所くんは続けた。

｢那須はモテるから敵いっぱいだよ。
頑張って｣

｢ありがと、｣

正直、那須くんと一番仲が良い浮所くんには
知られたくなかった。

でも浮所くんは
簡単に好きな人をばらすような人じゃない。

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すみません...。
文化祭の出し物はお化け屋敷です。
8話に書く予定でしたが、書いていませんでした(°°;)
12/26に8話を更新致しましたのでそれ以降にご覧になられた方は正しく書かれております。