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左隣に意識がいきすぎて、動きがカチコチになる私。
ホームセンターまであと5分のところで急に雨足が強くなった。
お互いに傘の中におさまろうとしたせいでぎゅっと距離が近くなる。
今にも心臓がとび出そうだ。
「ここ、右」
「了解」
ホームセンターまであと3分。
「大丈夫?顔赤いけど」
「へっ?」
「熱ある?」
「ち、ちち違うよ!」
この場合どう見ても照れてると受け取るはずなのに、彼はきょとんとした顔で見つめる。
だから私の体温は上がる一方だ。
「無理だけはしないように、たまごちゃんが文化祭来られなくなるのは悲しいし」
「ありがと...」
悲しい、という気持ちには
何の意味も含まれていない。そんなことは
わかっているのにドキドキしてしまった。
彼の体温がわかりそうなほどの近い距離。
こんなに距離が近いのは、多分
彼と自転車で2人乗りしたとき以来。
ホームセンターに着いて、絵の具やテープなどを買ったあと
浮所くんに頼まれていた差し入れを買うために
隣のスーパーへ。
「せっかくついてきてもらったし、たまごちゃんの食べたいものにしよう」
「え、いいの?」
「うん、食べたいのなんでも言って」
「...じゃあ、牛乳プリン」
牛乳プリン俺も好き、と彼は笑ってカゴに入れた。
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作者名:ちょこころね | 作成日時:2018年12月23日 8時