混血皇女【オリジナル】 (ページ13)

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罪深き王子様 3 ページ13

「……今日は、あの街に行ってみるか。」
「翔様の仰せのままに。」

皇子という身分を一時的に捨て、人間の住む町や村、時には都なども訪ねた。

「ここは吉原…ですね。」
「女が沢山いて、休憩所も多い……のか。」
「ええ。女と共に夜を過ごせるようです。」

少年は湊と共にもう数年間旅をしている。
そしてゆっくりと時間をかけて成長していく。

「まぁ、行ってみる価値はあるでしょうね。」
「そうだな……」

少し歩いた先には女が牢獄の中のような所で佇んでいる店があった。
そこで、小さな女の子たちがいた。

その子らは双子で、暗い顔をしていた。
翔は昔の自分を思い浮かべてしまうほど、雰囲気に飲まれていた。

「翔様。あの、この子たちは…」
「姉さんと僕に似ているな」

その子たちを見ていると、女将のような女がやって来て２人を向いて、言った。

「その双子……引き取りますか。」
「え？」
「……よければ引き取って下さい。お願いします。もう手一杯で。」

少年は少し考えて承諾した。
見たところ４歳くらいの女の子だから、手のかかる時期なんだろうと、納得いった。

「名前は？」
「まひろ」
「みひろ」

「まひろと、みひろ…？」
「……翔様。この娘らはきっと、遊郭で生まれた子でしょう。名前は無いに等しいのです。」
「そうか、……うん。

真の優しさ、と書いて真優(まひろ)。
美しい優しさ、と書いて美優(みひろ)。
この２人を…うちの養女として迎える。」

ニッコリ笑って言う。
この後に護るべき者がいるからと、翔は強くなった…といわれる。

「２人きりになんてさせてはならない。家族の温かみを分けられたら。…なんてな。」