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第二章 白銀の花魁 ページ5

母から受け継いだ銀色の髪と紅い瞳。
父から受け継いだ凛とした端正な顔立ち。

母から受け継いだ学問の才と、父から受け継いだ武道の才。

それら全てを否定する実の祖父。自種族以外に対して排他主義者である彼にされるがまま連れてこられた吉原では上の前者と後者、どちらが必要かと言われれば前者である。

前者の容姿端麗という点は、吉原において間違いなく必要なものだ。

羽菜が普通の人と、人の容姿に化けた姿で唯一違うのは髪色と瞳の色だけである。

実はこの頃、吉原で女という女を口説いて回るという途轍(とてつ)もない美少年がいた。
その美少年は顔立ちが何故か羽菜にどことなく似ていて、瞳の色が同じ紅。しかし決定的に違うのは髪色だった。彼は紅、羽菜は白銀。

そういうこともあり、羽菜は「白銀の花魁」として名を馳せることになる。


それまでの経緯(いきさつ)や、その後を少しだけ、語りましょう。

皇帝、龍宮 煌月 が 第一皇女 羽菜。

悲劇のヒロインではなく、悲劇の第一皇女としての彼女の一生に焼き付けられる黒い過去は
決して消えること無い傷痕を彼女の中で残していったのでした。

見世物小屋で 1→←狭き籠の少女 3



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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:みりんちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fbkkydi/  
作成日時:2014年11月23日 21時

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