【アマゾンズ】関係unknown ページ35
* Season1とSeason2の間。
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「一也さん、ご飯」
「一也さんお風呂湧いたよ」
「一也さん」
彼女は、泉A。三崎一也と一緒に暮らしている。とはいえ、彼らは恋人でもない。勿論、夫婦でもない。
「はいーわかりましたよーっと」
そんな風に答える、三崎。怖い組織、とやらから逃げている彼にとっての安住の地というものは、彼女と暮らすこの場所だけだった。
「……一也さん、電話」
「誰から?」
「志藤さん?って方」
志藤からの連絡、つまり言いたいことは1つだった。駆除班の再始動。三崎にはそれくらいしか思いつかなかった。いや、寧ろそれ以外の用事は無い。電話を済ませて先程腰掛けていた場所に戻る。
「どうかしたの?」
「昔の仕事、もう1回やらないか?って」
「……それで、どうするの?」
「やるよ、だってあれ、金になるんだもん」
「そう、……無理はしないでね」
三崎には、彼女が不思議でならなかった。
何を求めてもNoだと突き返すことは全くしない。恋人でもない。ましてや、友達と言えるかすら怪しい。
彼女は三崎に優しすぎる。無償で寝食する場所を与え、三崎の借金を少しずつ返すのに尽力してくれている。もっといえば、三崎が彼女の身体を求めても、彼女は笑ってそれを受け入れた。
元々詐欺師だった三崎は彼女の言動を最初こそ怪しんだものの、今ではすっかり甘えている。まるで、母親か聖母か。そんな風に。
彼女には何もかもがお見通しなのだ。
静かに笑って、何でも受け入れる。
「Aさ、俺が、危ない仕事してるのも、本当はわかってるんでしょ?」
「うん、勿論」
「それでも引き止めないんだ」
「……引き止めて欲しいなら引き止めるよ、だけどそれは、一也さんがやりたいことなんでしょ?だって、さっきの電話が来た時、何となく嬉しそうだった。もしかして、昔の仲間と再会するのが嬉しいとか、そういうことなんじゃないの?」
三崎自身、無意識ではあったけれど引き止めてほしかったのかもしれない。それでも引き止めずに見送ろうとしたのは、彼女なりの配慮だ。
「やっぱ何でもわかってるんだなぁ、A」
「一也さん、わかりやすいから。それでよく詐欺師やってたよね」
「最低な褒め言葉だなぁ、それ」
ソファーで隣に座って、テレビを眺めていた彼女を三崎は押し倒す。
この時、彼はやっと気づいた。
『あぁ、自分、もしかしてAに依存してるんだ。泉Aという、聖母に。』
刹那の間に、2人の唇が触れ合った。
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yasuyui0818(プロフ) - すいません、続編ってどこですか? (2019年9月1日 23時) (レス) id: dc39fffb15 (このIDを非表示/違反報告)
yasuyui0818(プロフ) - ありがとうございます 楽しみに待ってます^_^ (2019年7月19日 7時) (レス) id: dc39fffb15 (このIDを非表示/違反報告)
みりんちょこ @ 低浮上(プロフ) - yasuyui0818さん» リクエストありがとうございます!続編でぜひ書かせていただきますね!少々お待ち下さい!! (2019年7月18日 22時) (レス) id: e7f16800b7 (このIDを非表示/違反報告)
yasuyui0818(プロフ) - 続編で目を覚ましたら晴人から庇った事に関して怒られてそこから晴人からプロポーズされ結婚する話をお願いします^_^ (2019年7月18日 20時) (レス) id: dc39fffb15 (このIDを非表示/違反報告)
yasuyui0818(プロフ) - はじめまして ウィザードの晴人で恋人同士で主人公が晴人を庇い敵からの攻撃を受け倒れる話をお願いします (2019年7月18日 20時) (レス) id: dc39fffb15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりんちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fbkkydi/
作成日時:2019年1月5日 19時