【短編集】大空の鳥

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ノエルさんにジュレの中へ手招きされる。
｢ほら、入って｣
｢？……うん｣

ジュレのドアを引いて中へ入ると、昼間なのに真っ暗で。イマイチ状況が飲み込めないまま灯りがつく。

｢｢誕生日おめでとう、A！！｣｣
｢……え？｣

今思い出した。受験生になることにいっぱいいっぱいで、自分の誕生日が今日だってすっかり忘れてた。隣を見ればノエルさんが微笑んでいる。

｢そっか、だからお姉ちゃん、さっき私を呼んだんだ……！｣
｢そうそう！準備ギリギリすぎてやばやばだったけどね！あ、それと、ゲストも呼んでるんだよ｣
｢ゲスト……？｣

｢｢Aちゃん、誕生日おめでとう！｣｣
｢圭一郎さん、つかささん、咲也さん……！ありがとうございます！！｣
憧れの国際警察の皆さんに祝われてテンションが上がらないわけが無い。お姉ちゃんたちが怪盗をしていることは知ってはいるけれど秘密にしてる。それでも小さい頃からの夢だった警察官を捨てることは出来なくて。

｢A｣
｢わぁ！ケーキ可愛い！ありがとう透真くん！｣
｢俺らも手伝ったんだぞ｣｢そそそ！感謝してよね！｣
｢そうなんだ……！魁利くんとお姉ちゃんもありがとう！｣
私のことを何かと気にかけてくれたルパンレンジャー3人組が作ってくれたケーキは、とても素敵だった。見るからに美味しそう。

年齢の数の蝋燭についた炎を吹き消し、ジュレに響き渡る拍手が新しい年の幕開けであることを実感する。

｢A、誕生日プレゼント｣
｢私たちからもあるんだ、是非受け取ってくれ｣
お姉ちゃんとつかささんからプレゼントを手渡される。それぞれ3人と3人からの、素敵なプレゼント。

｢ノエルさんもあるんですよね！プレゼント！｣と咲也さんがニヤニヤしながら言えば、圭一郎さんが｢咲也、お前顔が気持ち悪いぞ｣なんて言われてて笑ってしまう。

……ノエルさんからのプレゼント？
ノエルさんの方を見ればやっぱりさっきと変わらずニコニコしたままで。

｢A、目を瞑って｣
｢？｣
とりあえずわけもわからないまま目を瞑る。
指先に感じる、冷たい感触。
もしかして。もしかしたら、なんて期待をしてしまう。

｢指輪？｣
｢正解！だけどただの指輪じゃないよ。……婚約指輪。｣
｢婚約指輪……婚約指輪！？｣

この急展開にまさかの誕生日パーティー兼、婚約記念パーティーになったけれどすごく楽しかった。

Merci à vous tous.
(皆、ありがとう！)

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真白さん、誕生日おめでとうございます！

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