○ ページ33
優「…紫耀、起きてる……？」
紫「んー、おかえり…」
やっと声出せるようにはなったんだけど
元々のハスキーボイスに拍車がかかって
これちゃんと伝わってんのかなってレベル。
でも、優太がそばに居てくれることの安心感はすごかった。
そこにいるだけで落ち着くし、優太が笑えば
つられてこっちも笑えちゃうような、そんな感じ。
優「ほんっとに申し訳ない、マジでごめん」
紫「…なんで謝んの」
優「いやだって、俺がいなかったせいで紫耀がこんな大怪我して……」
紫「違うよ、俺がただ経験不足だったの」
だから何も悪くないと言っても、優太は眉を下げたまま納得のいかない表情。
優「…傷しみると思うけど、じっとしといてね」
紫「……ねえ、かいと大丈夫？」
優「まだ完全に落ち着いたわけじゃないけど、発作が治まって部屋の机の下潜りに行った」
多分そのまま寝ると思うよ、って。
紫「……ん…っ！」
優「ごめん、痛かった？」
口の端切れてるとこを絆創膏貼ってもらって、
よれてシワシワの服を捲った優太の顔が「うわ、」と一気に歪む。
優「……ひどいな…よく耐えたよこれ」
紫「だろ？マジで痛かった、」
優「うーん…薬飲ましとくべきだったかも」
紫「……俺？」
優「いや海人の。発作を抑える薬」
そういえば、昔はよく服用してた。
でも最近、発作なんてめっきり起こさなくなってたから
飲むのやめたんだっけ。
酷かったお腹や背中はガーゼで保護してもらって、
両脚の無数の青アザはとりあえずそのまま。
優太は痛々しい傷を見るのが苦手なのに、
真剣な顔でひとつひとつ丁寧に処置をしてくれる姿に
やっぱ兄貴ってかっこいいな、なんて
らしくないこと思って泣きそうになってんのは
俺が相当弱ってるからなのかな。
紫「あのさ…」
優「んー？」
紫「…ありがとう」
優「？……いやこちらこそありがとう」
優「あ、あと海人の代わりに、ありがとう」
紫「なんで？」
優「海人の気持ち、ちゃんと受け止めてくれて」
紫「……ーーっ、」
優「待ってごめんって！…泣くなよー笑」
海人だけじゃなかった。
俺は優太にも、一生敵わない。
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まなか(プロフ) - 葵さん» はじめまして、コメントありがとうございます。そうですね、短編集も障がいを扱うお話になると思います。最後の一文がとても嬉しくて3回読みました（笑）ひとまず、ご愛読くださり本当に有難うございましたm(_ _)m (2020年6月24日 17時) (
レス) id: 9d514825af (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 初めまして。最初から読ませて頂いていて更新のたびに楽しませてもらっていました。このお話の続編も読みたいですが、メンバーの短編集いうのも障害系のお話ですか？それであればメンバーのお話も読んでみたいです。作者さんの書きたいものであればなんでも読みたいです (2020年6月24日 8時) (レス) id: e9ee92cae6 (このIDを非表示/違反報告)
まなか(プロフ) - 菜花桃さん» はじめまして、コメントありがとうございます。嬉しいことに続編を希望してくださる声が多いので、もうほぼ決定かなと思います(*´ `*)ひとまずは、今までご愛読くださり本当に有難うございましたm(_ _)m (2020年6月24日 6時) (レス) id: 9d514825af (このIDを非表示/違反報告)
菜花桃(プロフ) - はじめまして！このお話大好きだったので終わってしまうのはとても悲しいです。私は続編見てみたいです！ (2020年6月24日 5時) (レス) id: 3fd911b205 (このIDを非表示/違反報告)
まなか(プロフ) - あちゃさん» はじめまして、コメントありがとうございます。何度も読み返してくださったんですか?!嬉しすぎます; ;続編、わたしもぜひ書きたいなと思っています！ご愛読してくださり、本当に有難うございましたm(_ _)m (2020年6月24日 1時) (レス) id: 9d514825af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなか | 作成日時：2020年1月13日 9時
