警報、その8。 ページ10
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「ほんまに今朝はすまんかった！こいつらも悪気ないねん、許したってや」
「そんな謝らなくても大丈夫、全然怒ってないから、ね？」
ぱん、と両の手を合わせて私に謝罪するのは隣のクラスであり私とは同じ中学校の出身である銀島結だった。宮兄弟の喧嘩の渦の中に不本意に巻き込まれた私は、あろうことか朝のホームルームに遅刻してしまったのだ。
私の初遅刻に先生はかなり驚いていたが、宮兄弟に絡まれていた……ああいや、宮兄弟と一緒にいたと知った途端、何か察したような顔をして。
「先生も怒らないでくれたし。まあ、成績表に一遅刻はついちゃったけど」
「いや、ほんまにすまん……」
「銀島のせいじゃないじゃん！大丈夫、治くんも謝ってくれたし」
責任感の強い銀島は、何度も何度も頭を下げて謝ってくれた。私が時計を気にしなかったのも事実だし、そんなに気にすることはないのに。
「銀島も大変だね……」
「うん、まあ、せやな……」
同情の念を出してみれば、彼は死んだ魚のような目で明後日の方向を向き始めた。普段の彼らがどれだけ大変なのか想像に絶する。治くんひとりの相手なんて、全然マシな方なんだろうな。
「でも治、Aと仲良ぉなってから少しはマシになった気するわ……」
「え、そうなの？」
「んや、治自身は何も言わんから俺の想像やけど……吹奏楽部の練習の音が聞こえると目に見えてイキイキしとるで。侑との喧嘩中でも、ぴたっと止まんねん」
銀島の言葉に、驚いて目を見開いた。治くんがうちの練習の音をよく聴いてくれていたことは知っていたけど……まさか、そこまでだなんて。
「それは嬉しいな、少しでも鎮火剤になればいいけど」
「……Aも、治と仲良ぉなってから変わったと思うで」
「え」
私は弾かれたように顔を上げた。変わった？私が？
疑問を顔に浮かべると、銀島は続ける。
「やってA、いつも治のためにお菓子作ってくるやんか。前は、そんなことしなかったやろ」
どんなに仲良い子がおってもな、と銀島は言った。
その顔は、どこか嬉しそうだった。
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冬咲(プロフ) - いすみさん» そんな嬉しいお言葉をいただけるとは…！😭✨沢山きゅんきゅんしてくださって本当に嬉しいです！ (4月17日 16時) (
レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
冬咲(プロフ) - 黒尾ファンさん» 完結まで読んでくださりありがとうございました🥲💖違う作品も是非楽しんでくださいませ〜！ (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
いすみ(プロフ) - まずは完結おめでとうございます！！！！もう一周したいと思います。まじでその辺の恋愛漫画よりキュンキュンしました。素敵すぎる作品をありがとうございます🥲❤️❤️ガチでLOVE。 (4月16日 22時) (レス) @page34 id: b9d4cbed9d (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - あまりにも、なまってもうて、すんまへん、、、。😭 (4月15日 21時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 完結おめでとうございます。応援してました！！どうも、黒尾ファンです。この作品結構の間見てきたんやけど最高やね♡大好きやわ。違う作品も見てみるけん、これからも頑張り〜や。また一から読みますさかい。 (4月15日 21時) (レス) @page34 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬咲 | 作成日時：2024年3月26日 19時
