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警報、その4。 ページ5





「おはよお。朝からAちゃんに会えるなんて神さんもようやく俺に奇跡をもたらしてくれたな」

「おはよう治くん。……そうだね、席前後だけどね」


席が前後なのに朝から会えないシチュエーションの方が珍しいのではないだろうか。そう思いながら挨拶を返すと、治くんはいつも通り私の方を向きながら席に着く。


「昨日の放課後、吹奏楽部の音体育館まで聞こえてきたで。もしかしてAちゃんも吹いとった?」

「あ、うん、そうそう!昨日は渡り廊下でやってたから聞こえてたのか。どれが私のかわかった?」


少しからかってみようかと、治くんにそう問いかけてみた。失礼だけど、多分治くんは楽器の音を聴き分けることはできないと思う。失礼だけど。

治くんは案の定、うーんと首を捻って考えている。個人練習であんなに音色が入り乱れていたし、まずアレが私の音だった!って言葉で伝えるのも難しいだろうから、意地悪しすぎたかな。


「うーむむ……なんやろ、楽器の音?」

「ふっ……ふふっ、そりゃそうでしょ、みんな楽器吹いてるんだよ!じゃあ私がなんの楽器やってるかわかる?」


今度は少し易しめの問題に切り替えてみる。楽器の名前とか知ってるのかな、治くんは……。
そう思っていると、意外と治くんは早い段階で口を開いた。思い出すためにもどかしげに机を指で叩いている。


「あ!わかる、わかるで。アレやろ、なんかでっかいやつ。上半身くらいの長さのやつ……なんやっけ、トロ……とろんぼー……?」

「トロンボーンね、仕方ない、ギリギリ正解にしてあげよう」

「よっしゃ!」


大袈裟なガッツポーズを繰り出す彼を見て、私は思わず笑ってしまった。


「それにしてもよく知ってたね。勝手に知らなそうとか思ってごめん」


正直にそう言ってみると、治くんは動きを止めてきょとんとした顔をした。そして、ひとこと。







「当たり前やろ、Aちゃんの楽器くらい覚えとるわ」







「………まじか」



なんてったってAちゃんが応援の時に吹いてくれるんやもん!と、きらきら笑顔で言った治くん。


不覚にも、ちょっとだけドキッとしてしまった。




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冬咲(プロフ) - いすみさん» そんな嬉しいお言葉をいただけるとは…!😭✨沢山きゅんきゅんしてくださって本当に嬉しいです! (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
冬咲(プロフ) - 黒尾ファンさん» 完結まで読んでくださりありがとうございました🥲💖違う作品も是非楽しんでくださいませ〜! (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
いすみ(プロフ) - まずは完結おめでとうございます!!!!もう一周したいと思います。まじでその辺の恋愛漫画よりキュンキュンしました。素敵すぎる作品をありがとうございます🥲❤️❤️ガチでLOVE。 (4月16日 22時) (レス) @page34 id: b9d4cbed9d (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - あまりにも、なまってもうて、すんまへん、、、。😭 (4月15日 21時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 完結おめでとうございます。応援してました!!どうも、黒尾ファンです。この作品結構の間見てきたんやけど最高やね♡大好きやわ。違う作品も見てみるけん、これからも頑張り〜や。また一から読みますさかい。 (4月15日 21時) (レス) @page34 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬咲 | 作成日時:2024年3月26日 19時

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