警報、その17。 ページ19
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「フッフ、Aちゃん顔赤いで」
「……ずるいよ。治くん」
「なんで？」
「わざとそういうこと言うから」
む、と彼を軽く睨みつけると、当の治くんは頬杖をついてふふっと柔らかい笑みを浮かべた。してやったりと言うように、私をじっと見据えて。
「そら、Aちゃんがずっと男の心を転がしとるのが悪いやろ」
「こ、転がしてなんかないよ！？」
「どうやろなあ、俺はまんまと転がされとるんやけど」
「そんなことないって……」
からからと愉快そうに笑う治くんの表情は全くのいつも通りで、何を思っての発言なのかよくわからない。男を転がしているという発言も私が悪いっていうのも。
治くんには、私がどう見えているのだろうか。
「Aちゃんは？」
「え」
「俺のこと、どう思っとるの」
そう言ってじっと私を見つめている治くんの目は、今までにないくらい真剣なものだった。何言ってるの、なんて茶化すこともできないくらい、私だけを水晶体に映す彼の姿に、視線が吸い寄せられるようで。
どう思ってるって、どう思ってるかってことだよね。恋愛感情とか、そういうのもひっくるめて、どういう気持ちで治くんに接しているのか。
ひゅ、と小さく喉が鳴った。こんな治くんは初めてで、気がついたら私の髪の毛は、彼の指に弄ばれていて。
「おさむ、くん」
「ん？」
思わず名前を呼んだ。続きの言葉は、まだ考えられていない。治くん、と、名前を呼びたくなってしまっただけだ。そうしないと何も言えなくなってしまいそうで。
「え、えと…………」
好きという気持ちは、よくわからない。定義がわからない曖昧なものには、どう名前を付けたら良いのかが私にはまだ難しい。
それでも私は、治くんと一緒にいれるということは幸せだった。他の女の子が治くんに告白して、断ったと知った時は何故だかほっとした。私のことを褒めてくれるたび、嬉しかった。
嫌だとかうざいとか、そういうことは、一回も思ったことなんてない。
「わ、私…………」
意を決して口を開いたのと同じタイミングで、教室の前方でガラッとドアが開く音がした。反射的にそちらを見ると、入ってきたのは朝のホームルームをしにやってきた担任の先生。
「あ、治くん」
「ん。ほなまた後で」
「う、ん……」
先生に救われた、と言って良いのだろうか。あのまま勢いで言っておいた方が良かったような気もするのは、気のせいだと信じたい。
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冬咲(プロフ) - いすみさん» そんな嬉しいお言葉をいただけるとは…！😭✨沢山きゅんきゅんしてくださって本当に嬉しいです！ (4月17日 16時) (
レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
冬咲(プロフ) - 黒尾ファンさん» 完結まで読んでくださりありがとうございました🥲💖違う作品も是非楽しんでくださいませ〜！ (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
いすみ(プロフ) - まずは完結おめでとうございます！！！！もう一周したいと思います。まじでその辺の恋愛漫画よりキュンキュンしました。素敵すぎる作品をありがとうございます🥲❤️❤️ガチでLOVE。 (4月16日 22時) (レス) @page34 id: b9d4cbed9d (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - あまりにも、なまってもうて、すんまへん、、、。😭 (4月15日 21時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 完結おめでとうございます。応援してました！！どうも、黒尾ファンです。この作品結構の間見てきたんやけど最高やね♡大好きやわ。違う作品も見てみるけん、これからも頑張り〜や。また一から読みますさかい。 (4月15日 21時) (レス) @page34 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬咲 | 作成日時：2024年3月26日 19時
