警報、その10。 ページ12
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「練習試合かあ……」
「おん、何気に一回も来たことないやろ？」
「まあ、私も部活あるからね。でもその日なら行けるかも……」
「ほんまに！？」
どうやら男子バレー部の練習試合が次の日曜日にあるらしい。毎回誘われてはいたものの、稲荷崎高校の吹奏楽部にまともな休みという休みはあまりない、というか、ほとんどないに等しいだろう。
でもその日は留学説明会があるとかなんとかで人が少ないらしく、珍しく午後練習のみということになっていた。それが練習試合の日と重なるなんて、なんというか、運命とでもいうのかな。
「その日は平気……だけど、私みたいにバレー部じゃない人が行ってもいいものなの？」
「女子とかしょっちゅう来とるで。俺、Aちゃんに応援されたら頑張れるんやけどなあ」
「だからいつでも応援してるよ私は。わかった、じゃあ応援行くよ」
そう言うと治くんは「よっしゃあ！」とガッツポーズを繰り出した。わかりやすく喜んでいる姿を見て思わず頬が綻ぶ。私がいると頑張れるだなんて、恥ずかしいことを素で言う人なのだ、この人は。
「私さ、いつもバレー部の応援の時は楽器吹いたり忙しいから、こうやってちゃんと試合見れるのは新鮮かも」
「確かにせやな！かっこええとこ見せたるわ」
にこにこ、きらきら。
こんなに眩しい笑顔を向けられてしまうと、なんだか少しドキッとしてしまう。治くんがイケメンなのはずっと前から知っていたんだけど、私にしか見せない顔だと思うと余計に、だ。
私はそれを悟られたくなくて、少し話題を旋回させる。
「侑くんと……角名くんも出るんでしょ？銀島とかパワーえぐそうだよね、中学生の頃から腕相撲負けなしだったし」
「そーそー、みんな出るで」
「三年生の先輩のスパイク、音やばいし」
私はひとつ上の尾白アラン先輩のスパイクを頭の上に思い浮かべた。何か折れました？みたいなえげつない音と共にブロックを吹っ飛ばす威力には私のようなただの女子高生にとっては少し……いや、だいぶ怖い。
私が腕だけでスパイクの動きを真似て見ると、突然ガッと腕を掴まれた。見ると、治くんだった。
「…………試合では、俺だけ見ててな」
吸い込まれそうになる、黒々とした大きい目。それが真っ直ぐこちらを見据えていて、ヒュッと喉が静かに鳴った。
「……努力、します」
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冬咲(プロフ) - いすみさん» そんな嬉しいお言葉をいただけるとは…！😭✨沢山きゅんきゅんしてくださって本当に嬉しいです！ (4月17日 16時) (
レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
冬咲(プロフ) - 黒尾ファンさん» 完結まで読んでくださりありがとうございました🥲💖違う作品も是非楽しんでくださいませ〜！ (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
いすみ(プロフ) - まずは完結おめでとうございます！！！！もう一周したいと思います。まじでその辺の恋愛漫画よりキュンキュンしました。素敵すぎる作品をありがとうございます🥲❤️❤️ガチでLOVE。 (4月16日 22時) (レス) @page34 id: b9d4cbed9d (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - あまりにも、なまってもうて、すんまへん、、、。😭 (4月15日 21時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 完結おめでとうございます。応援してました！！どうも、黒尾ファンです。この作品結構の間見てきたんやけど最高やね♡大好きやわ。違う作品も見てみるけん、これからも頑張り〜や。また一から読みますさかい。 (4月15日 21時) (レス) @page34 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬咲 | 作成日時：2024年3月26日 19時
