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警報、その1。 ページ2





「おはよお、Aちゃん」

「おはよ、治くん」


この会話があって初めて私は1日の始まりを実感するようになってしまった。朝練終わり、うっすらと汗がまだ額に残っている治くんが私と挨拶をかわしながら目の前の席に腰掛ける。


「今日、なんか作ってきたん?」


スンスン、と鼻を鳴らして匂いを嗅ぐような仕草をする治くん。匂いだけじゃわからないでしょ、と言いたいところだが、確かに今日は昨日作ったお菓子を持ってきたのだ。
潔く負けを認めて、スクールバッグから一口サイズのチョコレートパイを取り出す。


「はい、どうぞ」

「ありがとお!わ、今日のもほんまに美味そうやな……」

「でしょ、結構上手に作れたんだよ?ありがたく食べてください」

「ありがたやー、ありがたやー……」


うやうやしくそれを受け取った治くんは、まるで神物でも崇めるかのように頭上に掲げ、まだ朝の8時台だというのにひょいと口の中にパイを放り込んだ。咀嚼はそれはもう一瞬に等しいほど短くて、治くんの表情はみるみるうちに幸せに染まっていく。


「うんま!ほんまに美味い……はあ、ほんまに好きやわAちゃん……結婚して」

「うーん、気が向いたらね」

「ククッ……」


後ろからの笑い声に振り向くと、そこには角名くんが立っていた。私の返しを受けて笑ったのだろう、これも私にとっては朝の恒例行事のようなものだった。


「今日も今日とて懐かれてるね、宮本さん」


愉快気に言う角名くんは、いつだって外野気取りだ。正直助けて欲しい気持ちはやまやまなんだけど、治くんの目の前でそんなこと言えないし。

まあ、嫌じゃないからいいんだけどね。たまに困る時はあるけど


「……あ、角名くんも食べる?」

「いいの?じゃあ貰おうかな」

「あ、角名ずるい」

「お前、一瞬で食ったくせに」


二人の会話を聞いて思わず声を立てて笑うと、それにつられて治くんと角名くんも笑った。私のお菓子を喜んでくれるのは嬉しいけど、あまり敵意は出さないで欲しいかな……。



警報、その2。→←setting



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冬咲(プロフ) - いすみさん» そんな嬉しいお言葉をいただけるとは…!😭✨沢山きゅんきゅんしてくださって本当に嬉しいです! (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
冬咲(プロフ) - 黒尾ファンさん» 完結まで読んでくださりありがとうございました🥲💖違う作品も是非楽しんでくださいませ〜! (4月17日 16時) (レス) id: 17b4672103 (このIDを非表示/違反報告)
いすみ(プロフ) - まずは完結おめでとうございます!!!!もう一周したいと思います。まじでその辺の恋愛漫画よりキュンキュンしました。素敵すぎる作品をありがとうございます🥲❤️❤️ガチでLOVE。 (4月16日 22時) (レス) @page34 id: b9d4cbed9d (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - あまりにも、なまってもうて、すんまへん、、、。😭 (4月15日 21時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 完結おめでとうございます。応援してました!!どうも、黒尾ファンです。この作品結構の間見てきたんやけど最高やね♡大好きやわ。違う作品も見てみるけん、これからも頑張り〜や。また一から読みますさかい。 (4月15日 21時) (レス) @page34 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬咲 | 作成日時:2024年3月26日 19時

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