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年の差のオペラ【M】new↓ ページ33
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少しでも早く会いたいから迎えに行く。
そう言った言葉は嘘ではないけれど。
そのさらに奥にある本心はただ単に俺よりずっと大人の男がたくさんいるその場所で少しでも彼女は俺のものだと主張したいだけの子供っぽい独占欲であることは誰よりも俺自身が一番わかっている。
そしてそれを彼女に知られないようにと俺は今日も必死にすました顔をして彼女が社会というものから出てくるのを待っている。
やりかけの課題を放り出して。
彼女と会えるのならば課題の一つや二つどうなったってかまわない。
あぁでも、単位落としてたらまた彼女と同じ社会というものに出るのが遅くなってしまう。
それは嫌かもしれない。
街は夜に沈んでその存在を主張するように部屋の明かりをともらせる。
見上げたビルの明かりの一つの中に彼女はまだいるんだろう。
そこにはどれだけほかの男がいるだろうか。
自動ドアから彼女が出てくるのを見つけて足を踏み出す。
けれどその足は、たった一歩でぴたりと止まった。
彼女の隣で微笑を浮かべている男がいる。
誰だあいつは。
なんで彼女と一緒に出てくる。
顔が険しくなるのが自分でもわかった。
だけど俺はただでさえ相手を怖がらせやすい顔立ちをしているから、こんな場所でこんな顔で彼女に近づいて彼女の社会というものの中での彼女の立場をわずかにでも悪くしたら俺は一週間はへこむことになるのだからと必死にせめていつものすまし顔に戻そうと努力をしながら彼女へとまた一歩近づいた。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年2月14日 18時
