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Morning / Side;子犬 6 ページ6
すとん、とバッグを自分の足元に落とし、
花は両腕を俺の背後に回してきた。
そのままゆっくりと背中を撫でる。
時間にして1分も経っていないだろう。
背中の動き以外に視線を感じて、
すっかり花の肩に埋めてしまっていた顔をゆっくりとら持ち上げてみせた。
眼の前には探るように花の澄んだ瞳が揺れている。
果物のように瑞々しい唇は少し無防備に開いていて、見てるだけで目眩を起こす。
お互いに何も言わない。
その内、恋焦がれた果実がすぅーっと俺のものに近づいてきた。
ちゅ
触れるだけの、でも人間の体温を感じるくちづけ。
触れたそこを起点に全身の血が一気に巡るような感覚になった。
『大丈夫…?』
「…………ん」
甘い声が空間を包み込む。
一瞬ですべてが満たされたような気持ちになった。
『………』
「花、あの…」
『……〜〜っ、あーっ!もぉう!ほんっとに!』
「……へぇ?」
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作者名:Hina | 作成日時:2020年5月21日 23時