Morning / Side;子犬 (ページ2)

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『……ったくもう。あ、ねぇ、今日は？動画上げる日？』
「昨日上げた。今日はとしみつの番」
『じゃあ出掛ける？』
「いや、家におる。来週撮る動画の準備したいし」
『そう』

向こうに行けなんて邪険にしながらも、
そんな俺となんだかんだで会話をしながら花は化粧を続ける。
俺はそんな花に付き合ってやってる風情を醸し出しながらその場に留まる。

華奢な鎖骨となだらかな肩。細い手首とせわしなく動く手や指。
ダイニングテーブルの下からはくびれた腰が覗いていて、
そこから無防備に組まれた脚が伸びている。
足の爪先にはオレンジのペディキュアが
鮮やかに彩られていて肌の白さを強調している。
どこもかしこもまんまるで、触ったらふわふわのすべすべだ。
香水を好まない花だけど、
もうその佇まいから甘い匂いが香ってきそうだ。

あーたまんねぇな。
食っちまいてぇ。

『なんか言った？』

……頭ン中の言葉が口から出てたようだ。