Salvation:5 ページ5
「……ね、今日泊まってって。…帰っちゃいや」
『寧ろこの状況で帰らされたら泣くわ。なに、明日休み？』
「……うん…」
いつの間にか彼の太ももに馬乗りに跨って座っているわたしの腰からお尻を撫でながら、喉の奥だけでくっくっとてっちゃんは笑う。
『…まぁ、ね、A？今辛いかも知んないけどさ、絶対終わりがくるから。……大丈夫、オレがおるよ』
私の背中をあやすよう撫でる。
その動きにまた涙が出てくる。
どうして、こんなに私の心を軽くしてくれるんだろう、この人は。
舌ったらずな優しい物腰に救われる。
「ありがとう……でも……ね？」
彼の首に手を回しつつ、その首筋から耳へと唇を滑らす。そのまま囁いてみせる。
「足りない…」
私の背面全体を動いていた掌が止まる。
「心はもう胸いっぱい。でも、まだ、てっちゃんの全部、足りてないの」
肩に埋めていた顔を持ち上げて、さっきよりもっと深く唇を重ね、こちらから舌を絡めとる。
十分に口内を堪能したあと、少し息を乱しているてっちゃんを見ながら、
彼に跨っている自分の腰を、
明確な意思を持ってゆらゆらと揺らしてみせた。
「今、てっちゃんが、欲しい」
ヘーゼルの瞳が一瞬驚いたように大きくなる。
『……任しとけ』
ご馳走を見つけた飢えた動物のようにニヤリと口角を上げるオレンジ頭。
後はもう、彼に委ねるだけ。
end.
*********
お読み頂きありがとうございました。
「Affection」と対になるイメージで書きました。
カズフォーに住んでる橙さんと、そこから徒歩圏内のアパートに住んでる彼女さんて設定してます。なんだかんだカズスリー、カズフォー時代のお家良かったですよね。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
終わり
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Hina(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» Mrs.ぱんぷきん さま コメントいつもありがとうございます！ 連作も徐々にですが書き進めておりますので気長にお待ち頂けると嬉しいです。引き続きよろしくお願いいたします。 (2020年6月24日 17時) (
レス) id: 600957a2aa (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 相変わらず素敵な作品で…もう大好きです！！！！！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hina | 作成日時：2020年6月23日 16時
