Salvation:4 ページ4
ここまで言ってまた涙が溢れてきた。
目の前の彼が愛おしくて一層密着する。
漏れる泣き声は止められなくて、ひくっとしゃくり上げてしまった。困らせたくないのに。
私の後頭部の髪の毛を掬い上げたり、指先にくるくる巻いたりしていたてっちゃんは、私の声に反応するように手を止め、再度わたしの顔を持ち上げた。
『言っときますけどね、会いたかったのはオレも一緒ですからね？』
親指で今度は少々乱暴にわたしの涙を拭いながら、動画の口調のままてっちゃんが続ける。
『結構長期に撮影せにゃならんおかげで全然会えてなかったし、そしてその動画を必死こいて編集して、やっと解放されてぼっろぼろになったこのオレを、可愛い可愛い彼女に癒してもらおう〜ってアポ無しで来てみたら！目の前には着替えもしてない、疲れた顔した女が今にも泣きそうな顔に笑顔貼り付けてんのよ？そんなん見たらいっくらでもずるいこと言うでしょーが。しかも結局泣いとるし！』
いくらでも甘やかしてやりますよと、頭を撫でる彼に、私は堪えきれず抱きついた。
「うん……てっちゃん…ありがとう…」
『おー。で、どしたん。珍しいやんね』
「あー……うん、ちょっとね、最近、仕事、忙しくて」
『ん』
「キャパオーバーなんだけど、他の人には回せないから自分でやるしかなくて」
『ん』
「でも、仕事してもしても終わらんし、毎日残業で……てっちゃんとも会えないし、LINE途切れちゃってるし、なんか、孤独感じて、しんどかった」
『……おう』
「でも、でもね？今、なんかもう大丈夫になった」
『………ん？』
「てっちゃんが、来てくれて、顔見たら、なんか、もう」
『そか』
ポツリポツリと言葉を紡ぐ私にてっちゃんが短く相槌を打つ。
言葉が途切れたら、どちらからともなく、唇を重ねた。
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Hina(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» Mrs.ぱんぷきん さま コメントいつもありがとうございます！ 連作も徐々にですが書き進めておりますので気長にお待ち頂けると嬉しいです。引き続きよろしくお願いいたします。 (2020年6月24日 17時) (
レス) id: 600957a2aa (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 相変わらず素敵な作品で…もう大好きです！！！！！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hina | 作成日時：2020年6月23日 16時
