Co-dependency-3 ページ8
そこを、わたしが突いた。
心にもない事を言ったわたしが悪い。
ただ、画面の中のメンバーたちと同じテンションで弄りたかっただけ。
――今も実は出会い系やってんじゃないの?もっとロリロリした子と愉しみたいなら他所行ってくれば〜?
ふざけた口調でてっちゃんに声を掛けた。
瞬間、彼の顔色が変わった。楽しそうにサブチャン観てたのに、みるみるうちに眉間に皺が寄り、怖い顔をされた。どこか悲しそうな色を乗せて。
ベッドに押し付けられながら、結局花もそうなのか、なんて低い声で言われた。
その勢いのまま身体を繋げたから、わたしの脚の間にはまだとろとろと彼の名残が残っている。
『……花がオレのこと、そこらへんの男の一人としか見てないような言い方して、めっちゃ嫌だった』
「そんなこと…」
『オレは花だけなのに…ひどい』
突拍子もない物言いに、傷つけた事を悪いと思いながらも苦笑してしまう。
彼のこの自覚なき独占欲は日を追うごとに大きくなってる気がする。
嫌?、という問いかけに首を振った。
なんだかんだ言ってこういう直情的な所が好きなのだ。彼への肯定の意思を示す為にわたしを抱きしめている腕に軽く唇を落とした。
それに呼応するようにてっちゃんはわたしの身体を自分の方へ向け、縋るような瞳で囁いた。
『花さえ隣にいてくれたらいいの。他にはなんもいらんの』
その言葉に心臓が震える。
髪を滑る指先が温かく、心地良さに目を閉じた。
「……てっちゃん、あのさ」
『ん』
「もしかしてわたし、結構愛されとる?」
彼は面食らったかのような、それでいて呆れたような顔をして息を吐く。
『……あのねぇ……』
こんにゃろ!と、少しだけ恨めしそうに私の頬を抓る。
『アナタは、オレに好かれてることにもっと自信もちなさいよ!』
なんなん、俺ばっかり必死やん!とまたわたしを抱きしめた。
むず痒いような思いが身体の底から這い上がる。
こんなわたしを傍に置いておきたいなんて言ってくれるこの人のことを、もっと愛してあげなければ。
「…好きよ、てっちゃん」
彼の胸の中で呟いてみる。
『…頼むから、もっと俺を欲しがって』
―極上の殺し文句に涙が出そうになった。
end.
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橙さんの女性事情は根が深そう。
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Hina(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» Mrs.ぱんぷきんさま いつもコメントありがとうございます。寝ぐせお気に召したみたいで良かったです!引き続きお楽しみ頂けると嬉しいです! (2020年6月21日 12時) (レス) id: 97a2dfde2e (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 独占欲……寝ぐせぴょこぴょこ………好きすぎます泣 毎回素敵な橙さんをありがとうございます!!!!! (2020年6月20日 23時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hina | 作成日時:2020年6月20日 22時