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○3 ページ39

腕の中の舞香は一回り小さくなった。
もともと華奢なのに闘病生活で更に華奢に。
でも小さくなっても、こうして俺の腕の中にいる。
それだけで充分なんだ。


『舞香?』

「なあに?」

『呼んだだけ。』

「またぁ?もう。」

このやり取りができるなんて夢みたいだ。
舞香の頭に顎を乗せる。

「あ、蓮くん。蓮くんだね。」

『んー、何が俺?』

「そうやって頭の上に乗せるとこ。蓮くんの癖。」

『だってちょうどいいんだよ。高さがね。』

「私の頭は蓮くん専用なのよ。」

『そっか。だからぴったりなんだな。』

「ふふっ、知らなかった?」






こんな風に会話するのも
家にいるからこそ。

「ねえ蓮くん。」

『んー?』

「今までありがとう。」

『何それ?最期みたいに。止めろよそんなの。』

「入院中に色々ありがとってことよ。」

『それならいいよ。縁起でもないから言わないの、そういうことは。』

「はーい。ごめんね。」

『分かればいいの。な?』

いきなり最期みたいなことを言うから
本気で焦ってしまった。
今の舞香には洒落にはならないから。
俺は舞香が消えないようにと
舞香の手を擦り続けた。


俺に寄りかかる舞香の力が、フッと抜けた。
すーすーと寝息が聞こえる。
こうやって眠るのも久しぶりだから
安心してくれたのかと思うと嬉しくなる。


舞香を横たわらせ、寝顔を見つめる。
安心しきったその寝顔に、そっとキスをした。


おかえり、舞香。
おやすみ、舞香。







退院翌日の朝。
気が付くと舞香の姿がない。
焦った俺は1階へ降りた。


キッチンからは、いい匂いがしてくる。
急いで覗いてみると舞香の姿があった。

『おはよ、舞香。まだそんなことしちゃだめだろ。』

「おはよ。蓮くん。簡単なものだから大丈夫よ。」

久しぶりに並んで料理を作る。
何か新婚時代に戻った感じ?

「じゃあ蓮くんはお味噌を溶かして、次はお豆腐入れてね。」

『はいよ。味噌の次が豆腐ね。あ、ネギは?』

「最後に入れたらOKよ。」

『りょーかい。』

「あ、卵焼き食べる?鮭しか焼いてないの。」

『久しぶりに舞香の卵焼き食べたいけど、無理しなくていいよ。』

「じゃあ卵液作るから、蓮くん焼いて?上手だったもんね。」

『おし。任せろよ。』

「じゃあ、お任せしまーす。」



凜「見てみ?あの二人。」

遥「新婚さんの頃、見てる感じ。」

凜「きっとああだったんだろうな。」

遥「そうね。いいなぁ、ああいうの。」

凜「うん、いいな。」

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作者名:ちょ | 作成日時:2021年11月20日 18時

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