○３ ページ2
舞香のお母さんとまさかの共演。
失礼なことしてないはずだけど
『俺さ、失礼なことしてないよね？何か言ってなかった？』
「大丈夫よ。若いのに一生懸命だったって褒めてたもん。それにイケメンだって(笑)」
『良かった！』
「姉も褒めてるよ？正統派イケメンだって。」
『お姉さん？何で？』
「共演はしてないけど、隣の現場だとかって。前にね。」
『お姉さんも？まさか女優さん？』
「そうなの。高木涼香って分かる？」
『分かる分かる！あのウイスキーのCM！色っぽくて大人できれいで。』
「そーなの。色っぽくて大人で私とは正反対のね。」
あれ？舞香、怒ってる？
『いや、舞香と似てるって。胸の大きいとことか。』
「変態！」
やべっ。舞香、機嫌悪くなった。
これはご機嫌治してもらわないと。
『舞香はさ、可愛いとこはお母さん似で、きれいなとこはお姉さん似なんだ。いいとこ取りじゃん。』
それにしても、すげーな。
家族７人のうち３人が芸能界、残り４人は医師。
はー、すげー。
そんな忙しい家族の中で、舞香は育ってきたんだ。
歳が離れてるから１人のことが多くて
周りに気を遣ってきた。
だから甘えることなんかしなくて
いつも我慢ばかりしてきた、舞香。
だから俺の前でだけは
素直で甘えん坊の舞香でいてほしい。
余計にそう思えてきた。
そして、俺はここに来た本題に入る。
『ねえ、舞香？』
「なあに？」
『俺、舞香に聞いてほしいことがあるんだ。』
「うん。」
『藤宮舞香さん。俺と結婚を前提にお付き合いしてください！』
「れっ、蓮くん？！」
『もう舞香と二度と離れたくない。離れるなんて考えられない。ずっとずっと側にいて欲しい。俺とずっと一緒に隣で歩いてほしい。』
「………」
『俺の仕事のことが気になると思う。今はまでとは違うから。俺と一緒にいて辛いことも出るかもしれない。もしかしたら記者に追いかけられるかもしれない。でも、俺は必ず舞香を守るから。全力で舞香を守る。だから隣にいてほしい。』
「蓮くん、あのね。私……」
『離れるって言うんだろ？でももう離さないから。舞香とのことはきちんと事務所にも話す。そう決めた。メンバーにも話して分かってもらえた。だから俺の気持ち受け取って欲しいんだ。』
「……私ね、今日こそ蓮くんにさよならしようと思ってたの。」
『うん、分かってた。舞香のことだからそうかなって。』
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作者名：ちょ | 作成日時：2021年10月22日 23時
