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私と山岸さんの女性だけでお買い物したかったのに…
『お嬢様。執事の役目はお嬢様をお守り《あぁ、もうわかってる！》』
面倒くさいから相葉も同行。
私はお財布を持ってないし、相葉がいないと支払いができないから、結局は相葉を連れて行くか、和くんから預かってるカードを奪い取らないとならないんだけど。
私の物は全部、和くんがチョイスした物だけど、下着だけは恥ずかしいしどうしてもと頼んで自分でネット通販で購入してた。
だけど、特別な一夜にしたいし…
やっぱり勝負下着と呼ばれる下着は見て買いたい。
相葉の運転する車の後部座席に山岸さんと並んで座り…
「お嬢様。こちらのお店は若い女性に人気でございますよ？」
山岸さんが検索してくれた店舗をタブレットに表示させて。
「うん。可愛い。」
「ではまずこちらに行きましょうか。相葉さん。よろしくお願いします。」
相葉に位置を確認させて、相葉も承知したと車にエンジンをかけた。
「ところで山岸。そちらの店はお嬢様に合う店なのか？」
「はい。お嬢様くらいの年齢の女性に大人気であると。」
「そうじゃない。お嬢様みたいな高貴なお方がお召しになるのに相応しいのかと聞いている。」
また始まった…
貴族でもあるまいし、そんな私は高貴じゃない。
「わたくしにはその判断は出来かねますが、お嬢様が大好きな方と特別な夜を過ごすのに相応しいとは思います。」
「答えになってない。」
「ですがお嬢様のお気持ち『もういいわ。山岸さん』」
相葉と山岸さんのやり取りを遮って、
「相葉。いい加減になさい。山岸さんは唯一の女性で私の気持ちをよくわかってくれている人なの。山岸さんの言う事に間違いはないと信じてるわ。」
相葉を咎める。
「ですが、お嬢様。みすぼらしい下着などを櫻井様にお見せしたくはないでございましょう？」
「新品買うのにみすぼらしいわけがないでしょ？常識を考えなさいよ。」
相葉の相変わらずの短絡的思考にはほとほと疲れる。
「イタリア製とかフランス製とか…そういった製品じゃなくてよろしいのですか？と思いまして。」
「そんな高級のつけるほど、中身が伴ってないわ…。」
そういうのはセクシーに着こなせる大人の女性が着るからこそ似合うのに。
私が着たら明らかに背伸びしてて、アンバランスでかえって惨めだ。
「って！なんであんたと普通に下着の話してるのよ！」
「今更ですか？お嬢様の下着は私が洗濯してるのに…。」
もう死にたいわ…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 19時
