妹、到着する ページ35
「なんか視界が明るすぎて慣れへんなぁ…。」
「我慢してください。これからの為にも、隊長の存在だけは今知られてはいけないんですから。」
「俺だけ裏から入国すればいいんちゃうの。こんな偽装の身分証明まで作って……。」
『一応外交という形を取っているので、特殊部隊の新人副隊長が1人で向かうのも些か不審に思われますし。正面から堂々と入って、作戦開始まではそれでいてくれた方が都合がいいんですよ。』
無事入国がすんだ2人はゾムだけ変装をして宿に手続きを済ませ、部屋でくつろいでいたゾムはカツラによる黒い髪でサングラスをかけているものの、髪で目が隠れず見えていない状況だった。普段からフードと長い前髪で目を隠して戦うことを基本としている彼からしたらまどろこっしい手順なのだろうが、少なからず総統に忠誠を誓うだけあって作戦には乗ってくれているようだった。
「殺しはアカンっていわれとるからほとんど観光やなぁ。」
『このあと嫌でも戦うじゃないですか。もう少しの辛抱ですよ。』
「まぁな…おっあそこの飯美味そうやで！行ってみよA。」
『……別の意味の観光楽しんでません？隊長。』
「ええからええからー、どうせまだ時間あるやろ？城下見に行こうや。俺はらへったし。」
『ふふっ分かりました。確かに時間はあるのでこの辺見て周りましょうか』
宿の窓から外を眺めていたゾムはおそらくこの窓から見える城下の立地を確認していたのだろう。暗躍する際に必要な抜け道や位置関係は知っておくに越したことはない。めざとくご飯屋までさがしていたようだが、Aはその観察眼に感動していた。ワクワクと効果音が付きそうなゾムを見ながらうなづくとAの腕を掴んで城下へと飛び出して行った
「っていうか、その呼び方今はやめへん？」
『へ？』
「隊長っての、聞かれたらやばいし。」
『そうですね……では、ゾムさん。』
「……言うと思った。さん付けや先輩呼びは禁止な？」
『え？！それは無理ですよ！』
「ん？何？敬語も禁止がええって？」
『それは勘弁してください……。』
ニヤニヤと笑いながら目の前の1軒目の店の食事を頬張るゾムに大きくため息をついた。なにか兄のように愛称があればと思うが、そんなものもなく。確かにこの先隊長と呼んでしまっては怪しまれる確率は高くなってしまう。最近この類のことばかりで悩んでいる気がするようなと思案しながら、目の前の食事に手をつけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 770人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
