閑話休題4-主と話した日2- ページ33
何を言えば正しい？俺は無害だと言った所で、信じてもらえる確率は十分低い。ゴクリと生唾を飲み込んで、 ほとんど初めて向けられた殺意というものを俺はどうすることも出来ず黙って受け止めていた。
一体あの事件の後、どんな生活をしていたらこんなに人を信じられなくなるのだろうか。今でこそそんなふうに思うが、この兄妹しか知り得ない空白の時間こそ大先生がああなる原因の一つだ。
「絶体絶命と言った感じだな。我が息子よ。」
「父様…いらしてたのですか。」
「あの物音で部屋を出んほど俺は無感情では無いさ。それよりなるほど、君たちに早く言っておけばよかったな。」
「……おっさんだれ？」
「俺はこの金髪の親で、この家の主だ。君たちの事を少し調べさせてもらったよ？」
『なにかわかったの？』
「そうだね、子供らしからぬことをよく分かっているようだ。だから君たちと取り引きをしたい。」
話を聞いてくれるかな？と俺の父がかがんで話しかけると目を合わせた2人は同時にうなづいた。その様子ににっこりと笑った父はその場に座り込んだ。
きっとなにか秘策があるのだろうな、彼は常に笑顔だった。
「私は君たちのこと、初めは家族にしようと思っていたんだけど、きっと君たちはそれでは納得してくれなさそうだからね。」
「僕らのとうさまとかあさまはあの人達だけや。」
『うん。他にはいりません』
「そうだね…だから、君たちコイツの友達になってくれやしないか？」
「……は？」
「こいつは家で本ばっかり読んでいておまけに口が回るもんだから同い年の友達がいなくてな。うちで部屋も食事も君たちの身の回りの保証は約束する。代わりに友達になってやって欲しい。」
「いや、あの、父様。」
「なんだグルッペン。本当の事だろう？」
不敵に笑う父をあれ程呆れた顔で見てたのはあれが初めてだと思う。しばしば父を見つめていた2人が顔をあわせてひそひそ話し合っている。俺と友達になれ？こんなに精神不安定な危なっかしい友達、そう要らないと普通なら思うだろう。ましてや一切信用していない奴の友達になれなんて、この2人がうなづくとは到底おもわなかったのだが、帰ってきたのは意外な言葉だった。
『いいよ。』
「……Aちゃん助けてくれたし、まぁ。」
「じゃあ、決まったな。俺の息子、グルッペンだ。よろしくな。」
「…よろしく。」
「あ、あぁ……。」
とまあこんな感じで2人は俺の家に住むことになったわけだ。あの後家臣になりたいと申し出があったり、紆余曲折を経て今に至る。どうだ？これがアイツらが互いに依存してる理由だ。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
