135 ページ3
・緋山side_____
目の前にはすごい声で唸りながら握力を測る緒方さん。
笑いながら眺めていると、全力を出し切った緒方さんは測定器を私に渡した。
緒方「ほら、どうだ!」
緋山「え、3キロ!?ひっく!!」
緒方「嘘だろ?!ちゃんと見ろ!」
緋山「3キロにチェックしておいて。」
記録係の名取に頼むと彼は素直に頷いた。
緋山「先週より下がってるじゃん。あれ?リハビリサボった?」
リハビリを誰よりも真剣に取り組んでいることは知っていて、そんな質問を意地悪でぶつける。
緋山「リハビリテーション科に移るんだからさぁ、そこそこ回復してもらわないと。」
そう言ってまた私は緒方さんのリハビリを始めた。
緒方「向こうの先生は優しいだろうな!!」
緋山「こっちも、面倒臭いのがいなくなって清々します〜。」
そう笑い合いながら少し寂しさを覚えた。
医局に戻ろうと名取と歩いていると、名取がとんでもないことを口にする。
名取「わかりやすいですね〜、緋山先生。」
緋山「ん?」
名取「あんな手足の不自由な料理人のどこが良いんですか?」
緋山「え?はぁ?!何言ってんの?!あんな横柄で自信過剰で、思ったこと全部口に出すような男、いっちばん嫌いなタイプだから!!」
自分が後輩相手にこれだけ動揺させられてるのは気に食わない。
バレバレだとしても話をどうにかずらして、指導医としての威厳を保とうと何か話題を探す。
緋山「あ、てかあんたね、今の言い方患者に対してありえないからね?!」
名取「あぁ、医者の言動としてまずかったですね、すみません。」
そう言って頭をちょこんと下げる名取は、完全にわたよりも優位に立った気でいる。
そして先ほど勤務中に撮ったであろう、リハビリ中の私と緒方さんの写真を携帯の画面に出してこちらに向け、
名取「寂しくなりますね?」
そうニヤニヤしながら茶化してくる名取の方をどつく。
緋山「あんたの今日の態度、最悪だったって胡桃に報告しておくから!」
名取「別に良いですよ?胡桃先生はそんな抽象的な言い方で人伝いに聞いた情報あてにしたりしないと思いますし。」
緋山「ああもう!あんた本当にムカつくわ!」
自分の同期の性格まで的確に指摘されてますますイライラした私は名取を置いて早足にその場をさった。
1191人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Flower(プロフ) - 大変だと思いますが、更新頑張ってください! (2020年3月28日 1時) (レス) id: cd08cf8264 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年8月26日 1時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 更新期待してます (2018年7月6日 8時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 藍沢ですよヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ (2018年6月28日 11時) (レス) id: e75ef3ebbf (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!このストーリーはこれで終わりなのでしょうか? (2018年6月27日 9時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Chloe_the_story_teller | 作成日時:2018年4月12日 13時