コード・ブルー：４・失う痛み (ページ25)

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・Aside＿＿＿＿＿

立ち上がった私はそのまま藍沢の背中に抱きついた。

すると、藍沢は

藍沢「お前ここ医局だぞ。灰谷だっているんだろ。考えろ。」

そう言いながらも私を離れさせようとはしない。

それをいいことに、彼の肩に顔を埋める。

胡桃「でもちょっと嬉しかった。耕作がなんかすごい心配してくれるから。こんなに甘やかしてくれるなら入院もありだったなって思った。」

そう笑って言うと、

藍沢「もう絶対にあんなことやめてくれ、心臓がもたない。」

そう言って少し笑った耕作を見て思う。

胡桃「ねぇ、耕作？」

藍沢「なんだ。」

胡桃「大好きだからさ、ずっと一緒にいてね。」

普段こんなこと面と向かって言わないが、ここ数日の色々な出来事で、自分の結婚や将来を意識した。

彼はどう思ってるのかわからないけど、私は気持ちを伝えておこうと思った。

すると、耕作は私を背中から離して向き合う体制になる。

そして私の手を取りながら言った。

藍沢「A、一緒に住もう。同じ部屋で。」

胡桃「え？」

急すぎてあまり言葉を理解できないでいると、耕作は続ける。

藍沢「お前が家を探してた時に言うべきだったのに、言えなかった。でも、なかなか時間だって合わないし、二人の時間だって取りづらい。だから、せめて帰る場所が同じだったら、もう少し過ごせる時間が増えると思ったんだが、どう思う。」

胡桃「私荷物いっぱいあるけど。」

藍沢「知ってる。」

胡桃「アロマ炊くけど。」

藍沢「まだハマってんのか。もう慣れた。」

胡桃「それに…」

藍沢「お前のことはお前以上に知ってるつもりだ。その上でこうして話してる。お前はどうしたい？」

そう言う耕作に、私の答えはもちろん決まってる。

胡桃「耕作と一緒に暮らしたい。」

藍沢「じゃあ家探そう。どうせ救命は呼ばれることも多いし、もう少し近いところの方がいいと思ってた。」

胡桃「なんか楽しみ。それに大人になったね、私たちも。昔は二人で決めるものって言ったら、どの参考書買うかとか、どの服が似合うかとかだったのに。家探すようになったんだもんね。」

耕作とは小さい頃から、お互いアドバイスを求めあって生きてきた。

本当に小さなことから大人になって大きな買い物をする時まで。

たしか車を買うときも彼を連れて行った気がする。