隣のクラスの君。Ⅱ (ページ36)

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深澤『んまぁ、会えなくても、大丈夫だよ。こうして電話も出来るし毎日連絡送るから。だから、心配しないで、』

「うん。分かってるよ、私も。」

深澤『相変わらず冷たいねぇ、つむぎちゃんは。』

「そう、？これくらいが普通じゃない、？」

深澤『それはお嬢さんだけだよ？あ、明日は後悔ないようにね？そろそろ時間だからね、一応言っておこうって。』

「うん、辰哉くんもね。」

深澤『俺は無いよ？』

「何となく分かってた。ないって。」

深澤『そっか。じゃあ明日ね。おやすみ。あ！ちゃんと寝るんだぞー？』

「ちゃんと寝るよ？子供じゃないからね。また明日ね。おやすみなさい、辰哉くん。」

深澤『おやすみー、愛してるよ。つむぎちゃん。』

「お、おやすみ、！」

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彼との最初で最後の電話。
楽しかった。つかの間幸せだった。
最後恥ずかしがって切ってしまったが、

私も、大好きだったよ。辰哉くん。

彼には言えない思いを秘めて。

ここ残りがあるが眠りについた。

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迎えた卒業式。
周りは写真撮ったり、色んな話してるし。
私はあの輪の中には１回も入れなかったな。
入ってもどうせ浮くだけなんだろうけど、

”後悔ないように”。

もう遅い。何もかも。終わってから気づく、間違った選択したと。

阿部くんともそう。彼との出会いが全てを変えたんだ。

彼は、今日は元気なんだろうか。
そんな偽善な心が出ている。ただの善良。
いい人ぶっても、私が傷つけた。

ここまで私は馬鹿なのか。
自分でも呆れる。

そんな気持ちを、持ちながら式に行った。

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聞き飽きたし、歌詞もイマイチ分からぬままの校歌も、嫌なチャイムも、嫌いなあの子も、嫌いな先生もやっと終わる。

阿部くんが答辞読んでるんだ。
やっぱり頭いい子が読むんだな。

私と同じ点数で当時は驚いたけど、今思えばここで会ったのか。

懐かしい。

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ようやく終わった卒業式。
内容も覚えてない。

先生の話とかいいから、早く帰りたい。

もう、いいから。高校生って肩書き。

嫌味なのかと思うくらいの花束と、卒業証書。

こんなの要らない。

ただ今欲しいのは、過去に戻れる時間が欲しい。

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