隣のクラスの君。Ⅱ (ページ31)

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『つむぎちゃんっ、俺、守れんかった....、』

つむぎちゃんが倒れた時、俺が咄嗟に腕を掴んだ。

目の前で息苦しそうにしている君をみたら、当たり前やけど、ほっとけなくて。

これはあかんと思って彼女を持ちあげた。
それしたらめっちゃめっちゃ軽くって、余計に心配になったん。

ご飯ちゃんと、食べてるんやろうか、

なんて思ってたら、後ろから血相変えて走って来た人が居たん。

それが意外な人、いや、彼女に相応しい人が来たんよ。

阿部ちゃんやったん。

阿部『康二、俺が運ぶから。』

「俺が運ぶからええよ？阿部ちゃんは保健室で待ってたら？」

たしかに、阿部ちゃんに任せたらええやけど、

だけど、俺は、聞こえたんよ、”助けて”って、

ちゃんと俺の名前呼んでたん。

せやから、俺が運ぶのがええやろうなって勝手に思っとった。

ほんでな？その間につむぎちゃん取られたんよ、

阿部『康二、ごめん...、』

阿部ちゃんはごめんって言って向かってしもうた、

俺やって、阿部ちゃんのごめんの意味わかるで、？

せやから、ちゃんと側に居てやってや。

あ、後つむぎちゃんも俺に話してな？

君の王子にはなれんかった。

守れなくってごめんな。

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康二からつむぎちゃんを奪い取ってしまった、

やっぱり、取られたくないって。

そんな感情に動かされた。

なんでもっと早く体調気づかなかったんだろう、
昨日一緒に帰ったじゃないか、

もしかして、昨日あのまま病院行ってない、？
確かに俺も行くんだよって言わなかったけど、

あきらかに分かるのは昨日より顔色が悪いし、
心做しか目の周りが赤いような、

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保健室に行くと相変わらず先生は居なかった。

君をそっと置く。隣に置いてある椅子に座って、

ただ君が起きるのを待つんだ。

こんな時童話だったら、王子様がお姫様にキスすれば目覚める。

こんな物語だったら良かったのに。

それに俺は君の王子様じゃない。

君の王子様は”深澤辰哉”だもんね。

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『好きだよ。つむぎちゃん。ふっかよりも。』