隣のクラスの君。Ⅱ (ページ25)

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意地悪ページ25

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阿部『やっほ。つむぎちゃん。』

ドアから顔を出して、手を振る君。

何故だか、嬉しくて、体が動いてたんだ。

阿部『わっ、もうー、ダメだよ？』

彼の腕の中にいて、それが心地よくて。

「阿部くん、さみしいよ、私っ、」

阿部『大丈夫。今は俺がいるからね。だから俺に甘えてよ。』

「そばに、いて、」

辰哉くんには言えない事、彼になら言えてしまう。

何でなんだろう。

友達なんかじゃないから、

隣りのクラスだから、？

分からない。

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阿部『そばにいる。安心して。』

大きな手が私の頭に乗る。

「へ、」

阿部『我慢してたんだよね、ずっと。』

「や、やめて、」

阿部『やだ。やめない。ほっとけない』

「な、なんで、優しくするの、」

私が1番気になっているのは、なんでここまで、優しくするのか。

ずっと、考えていた。思っていた。

阿部『さぁ、何でだろうね。』

「意地悪。」

阿部『俺からしたらつむぎちゃんも意地悪だけどね。』

「なんで、？」

阿部『教えない。まだ。』

返す言葉が自分にはよく分からなくて、

私はまだまだ子供なんだなと思う。

阿部『体調は大丈夫？』

「うん、大丈夫。心配かけてごめんね。」

阿部『全然平気だからね？ほら、一旦ベッドに戻ろ？』

「うん、」

支えながら戻してくれる彼はやっぱり優しい。

阿部『そろそろ放課後なんだけど、帰りはどうする、？』

「あ、えっと、」

忘れていたがもう放課後。
まだ、やらなきゃいけない事いっぱいあるのに。

阿部『もし、予定無かったら一緒に帰らない？』

「かえる。いっしょに。」

阿部『そう言ってくれると思ってたよ。』

そういって見せられた2人の鞄。

最初から、帰る事予想したんだ。