隣のクラスの君。Ⅱ (ページ19)

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無言の空気で緊張が走る。

このまま走って逃げよう、と思い力をぐっと込めて

走ろうとした時、

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阿部『もし、ふっかに隠し事があるとしたらどうする？』

「は、ぁ、？」

意外な事を口走る阿部くんに動揺が隠せない。

何が言いたいんだ。彼は。

阿部『なんにも知らないんだね、やっぱりか、』

"やっぱりか"って何。

「え、何があるの？」

阿部『明日さ、いつもの場所に来てよ。』

「な、何のために、？」

阿部『来てくれたら教えてあげるから』

また前を向く阿部くん。

「あ、阿部くん痛いっ、」

阿部『あ、ごめんね。』

ゆっくりと力が抜ける。

そして血が通うのが分かる。

何故こんなにも強く腕を掴む？

それにさっきの"明日来い"ってなに、？

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でも気になる。その辰哉くんの事。

阿部くんは何を知ってると言うの。

知らなきゃいけない事実なんだろうか。

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今は、誰を信じるのか分からない。

またも行方知らずだ。

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次の日。

阿部くんに言われたいつもの場所に向かう。

ここだよね。"空き教室"。

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勢いよくドアを開けると、やはり阿部くんは先に待っていた。

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阿部『来てくれるって信じてた。ありがとう。』

ニコッと笑う、彼。

いつもはなんとも思わないが、今日だけは良いように思わない。

ほんとに、何なんだろう。

来るべきじゃなかった。本当は。

でも気になった。少しだけ。

そんな彼の甘い誘惑に勝てなかった。

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阿部『まぁ、来てくれたからにはちゃんと教えます』

阿部くんが近づく。

後ろに下がる私。

阿部『ふっかは、他の女の子がいるんだよ。』

「えっ、？な、何言って、。」

一瞬にして頭が真っ白になる。

信じられない、だって、彼は。

いや、正直、気づいていたんだ。

ただ、ほんとだと気づきたくなくて。

誤魔化してたんだ。