隣のクラスの君。Ⅱ (ページ16)

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「辰哉くんは楽しかった？文化祭。」

深澤『そりゃあ勿論。つむぎちゃんが居たからさ。』

最後にニヤつくのが彼であって、そこがいい所。

シーンと静まった空気で、私達だけ。

深澤『実はさ、阿部ちゃんにつむぎちゃんに会って欲しいって俺が言ったんだよね。』

「えっ、？」

辰哉くんがいきなり言い出したから、私もなんで言えばいいのか分からなくなる。

深澤『2人が何時までたっても、気まづそうにしてるの俺見てたから。いても経っても居られなかった。』

深澤『ごめん。お節介な彼氏で。』

頭を深く下げる辰哉くん。

私は、怒っていない。それに、こうでもしなきゃ阿部くんと向き合えなかったから。

彼に見破られていた。この事実だけが、驚く事。

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「謝らないで、辰哉くんがやってくれなきゃ私、阿部くんと向き合えなかった。だからありがとう。」

全て本心を伝えたかった。

嘘つきたくなかった。

彼の前だけは、素直な私でいたかった。

深澤『本当、怒ってない、？無理やり阿部ちゃんに会わせて、』

「そんな、怒る訳ないよ。むしろ阿部くんと話せて嬉しかった。」

深澤『それは、嫉妬しちゃうなぁ。笑』

クスリと笑う辰哉くん。

「私だって、女の子と、楽しそうにしてて、ちょっとやだった。」

深澤『え！なにそれかぁいい！』

「わっぁ、！」

彼にぎゅっと抱きつかれる。

でも。嫌いじゃない。

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「く、擽ったいよ、辰哉くん、」

深澤『んふふ。たまにはいいじゃん』

くるっと、深澤くんの前に立たされる。

「辰哉くん、？」

深澤『恋人らしい事しよーよ。』

「どゆうこと、？」

深澤『こーゆう事。』

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ぎゅっと目を瞑る。

2人の影が重なる。

その瞬間大きな花火が鳴り響いた。

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