on stage. 第2幕 (ページ5)

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長い検討の末、白と青のチェックのスカートと白いブラウスを買った。私が派手なのを嫌がったのを見て、色合いはとりあえず地味めにしようと樹も譲歩してくれたからだ。
なんだかんだきちんと悩んでくれたので助かった。お礼にスタバを奢ってあげたらめちゃくちゃ喜んでたけど。

樹とは駅で別れて帰宅した。
自室に戻って、ふと自分の見てくれを姿見にうつしてみる。

「…地味かも」

タンスの中身を見ても、ほとんどが無地。なるほど、確かに可愛らしい服って持ってないかも。買ってきた服の値札を切りながら思う。

あいつってなんだかんだ綺麗な顔をしてる訳で。隣に並んで歩くのを考えた時に、地味だったら引かれるだろうか。それは嫌だなぁ、とかぼんやり考えながらため息をついた。
こんなん言っててあっちがめちゃくちゃ意味わからん服着てきたらどうしよう。それはそれで面白いからいいか。でも樹が何も言わなかったってことはさすがにそんなことはないと思う。多分。

「でーと、か」

口に出すと一気に恥ずかしくなる。いわゆる男女でのデートというものをするのは、多分初めて。友達と出かけるのはデートっていつも言ってるけど。

上手くいくだろうか。嫌われないだろうか。そんな不安を若干抱えつつ、またため息をついた。