on stage. 第2幕 (ページ3)

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学校生活なんて何も変わったことはない。ので、割愛。

何度断わってもあの男は帰りは家まで送ってくれるので、最近はお言葉に甘えて送られることにしている。帰り道に駄弁るのも楽しいから嬉しくはあるんだけど、毎度毎度で申し訳なくなる。

そうしていつも通り別れたあと。家に帰っては早々に、鞄を持ち替えて制服をハンガーに吊るす。いってきます、と声をかけても返事がない。リビングを覗けば、母はソファでうたた寝していた。あとでメッセージだけ入れておこう。

せっかくのバイトの休みに何をしてるかと言えば、そりゃもうろくなものが無い私服を見繕いに行くわけだ。とはいえ、自分で選ぶとセンスがないので普段と同じようなものしか揃わないに決まっている。ので。

「ごめんね助っ人、お待たせして」
「助っ人て。いやまぁ、別にいいけど」

同じクラスのよしみで犠牲になってもらった田中樹。ジュースくらい奢るって言ったら意外と簡単に乗ってきた。ちょろいのかもしれない。

「今失礼なこと考えてんだろ」
「別に？樹と2人きりなの別に嬉しくないからさっさと行こ」
「はぁ？こっちはわざわざ出てきてやってんのに…」

ぶつぶつ言いながら着いてきてはくれるあたり、良い奴ではあるんだろうな。なんて思いながら、近所のショッピングモールへ足を向けた。