on stage. 第2幕 (ページ2)

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シャワーを浴びて戻れば、通知が1件ロック画面に表示されている。スワイプして開いてみると、どこかの誰かさんからのお返事のようだった。

『空いてないかも』

ちょっと落胆しつつ、まあ仕方ないかとため息をついた。

『そっか』
『うん』

呆気ない会話。それで終わり、と思ったのだけど、閉じる前の画面からぽん、と音がしてメッセージを知らせた。

『俺から誘う予定だから』
『来週の水曜、どっか行かない？』

ああ、どうしてこんなにもずるい男なんだろうか。

『いく』

メッセージすぐ返すのちょっとキモいかな、とか思ったりすることもたまにある。けど、やっぱり嬉しいとすぐ返しちゃうな。

その後もぽつぽつとやり取りを交わして、また明日、と締めくくる。
そういえば、休みの日にデートって初めて、かも。
そう思ったらまだ日数もあるのに急に緊張してきて、タンスの中身を見てはこれで大丈夫か？と悩んだりして。
まだ日数あるし新しい服買いに行こうかな、美容室行こうかな、流石にただ出かけるだけなのに美容室はやりすぎ？でも初デートだし、いやこれってほんとにデート？付き合ってる男女が2人で出かけるならデートで合ってるのか？

ぐるぐる頭を回っては訳が分からなくなってくる。あれもこれも、ほんとに大丈夫？という気持ちで埋め尽くされては焦ってしまう。

「だめだ、これ」

今日はもう寝よう。まだ日にちもあるし、ゆっくり考えよう。
スマホを充電器にさして、振り払うように無理やり布団を被って眠りについた。