on stage. (ページ45)

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昨日の今日で…いやあれ一昨日か。ともかく、先日の1件から変に意識もしてしまうし距離感も分からない。当たって砕ける方が楽なのだろうか。
関係性を壊したくないとかなんとか理由はつけているけど、要は、それで気持ち悪がられたら、私が彼らのグループから離れればいい話で。最初から、あの6人の間に勝手に割り込んだだけの人間でしかないんだし。

「…京本」

顔を上げるけれど、返事はしない。この人が本当に、私の事気になるとか言ったの？私じゃなくて他の女の子だったりして。他にもバイトの女の子はいるし、常連の女の子もいる。もしかしたらみんなの勘違いかもしれない。

でも、私の感情も、相手も、勘違いじゃないから。
どう伝えたらいいのかも、何も分からないし、上手く切り出すことも出来ない。どうせ砕けるなら、わかりやすい方がいい。

「京本」
「…なに」
「……好き」

今度は、言葉を続けない。
けど、京本からは何も返事がない。あ、これ、ダメなやつ？経験がない私でも何となくわかって、うっすらと諦めの気持ちが出てくる。

「…なんか、ごめん。帰る」
「おい」

立ち上がろうとすると、また手を掴まれる。顔を見ると、少し眉間に皺を寄せた京本がこちらをじっと見ている。

「返事してないじゃん」
「…してくれないのかと思って」
「は、そこまで薄情じゃないんだけど」

夕焼けに照らされて、綺麗な顔立ちがさらに綺麗に見える。どこか、そのまま溶けていってしまいそうだなんて思った。