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それは、ある日の放課後。
「俺今日も用事ある」
そう、たった一言残して先に去っていった京本。空き教室にたむろして時間を消費していた俺たちを置いて。
「なあ！やっぱなんかあると思うんだよな！」
「そーそー！あのきょもがこんなに用事あるとかさ！」
「いや、用事くらいあると思うけど」
「頻度の問題！最近多すぎじゃん！」
ぎゃあぎゃあと、声を上げたのは樹。乗っかる慎太郎。
まあ、たしかに。約1週間くらい、付き合い悪くね？となるレベルでさっさと帰宅している。ただの用事というには頻度が多い…というのも頷ける。隠し事は何かあるのかもしれない、とは思ったよ。
「でもまぁ、別にいいんじゃない？勝手でしょ」
「気にならないのか北斗！好きな子かもよ！」
「いや、だとしたら尚更放っておくべきだよそれは」
「Aちゃんもバイトだって全然来てくれないし！じゅったん寂しい！」
じゃあ、着いてってみようよ。と、言ったのは、たしかジェシー。
こいつらのただの好奇心だった。まだ遠くないはず、と鞄を引っ掴んで、全員で学校を飛び出す羽目になった。
そこからはまぁ、割愛。だいたい想像の通り。
結果的に、Aちゃんのバイト先で出待ちをする京本を見つけて、後日問いつめた、って感じ。
さんざん問いつめたよ。そりゃまあ、主にうるさいどっかの誰かさんとかがね。そうしたらあいつ、ケロッとした顔でなんて言ったと思う？
「気になってる子のバイト先に行くことの何が変なんだよ」
だって。開き直っちゃってさ。
…とまぁ、そんな感じ。どう？あ、固まってる。おーい。
口開いてるよ。…あのねぇ、流石にこんな壮大な嘘言わないから。うん。まあ、とりあえずそういうこと。まぁ、ちょっと水でも飲んで落ち着いたら？
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作者名：ちゆき | 作成日時：2023年3月30日 0時
