on stage. (ページ2)

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朝日が眩しくて目が覚める。
…夢？
なんだったんだろうかと目を擦りながら、ベッドから半身を起こす。
時間を見るのにスマホを手に取ろうとしたら、起床用にセットしたアラームが鳴った。この、謎に時間よりちょっと前に起きちゃって損した気分になるの、なんなんだろうな。
嘆いても仕方がない、と渋々身支度を整える。顔を洗い、朝食を摂り、歯を磨き、着替えて……何も代わり映えしない、いつもの生活。

リビングで「おはよう、A」と笑いかけてくるのは母親だ。父は仕事が朝が早いから、この時間には家にいない。
テレビを見て、ちょっとのんびりして、カバンを手に取る。

「お母さん、今日は多分残業だと思うから晩御飯はいい」
「ん？……ああ、放課後のアルバイトのお話？わかった。何かあったら連絡してね」

一瞬首を傾げた母に、私も首を傾げる。なんで私今、当たり前のように突然アルバイトの話をしたんだろう。しかも、今日バイトだからとかじゃなく残業前提の話。自分が言ったのに何だか変な気分だ、と声には出さずに思った。

「んん…うん。とりあえずいってきます」

寝ぼけていたんだろう、と。遅刻する前に家を出た。
今日から華の高校生、2年目。クラス替えがあり、授業の選択があり、修学旅行があり。行事盛りだくさんと言ったところだ。
とはいえ、1年の頃はあっという間だったから、あまり覚えてない。それはどうなんだ、という話ではあるけれど、クラスメイトの顔や名前も、授業の内容も、薄らぼんやりとしか思い出せずにいる。そのせいでクラス替えも楽しみが他人の半分くらい…下手をすればそれ以下しかない。
別に友達がいない訳じゃないし、孤高の狼をやりたい訳でもない。でもこれといって自分からは目立ちたくはない。なるようになればいいや、とひとりごちた。