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そんなテンションが下がりながらも

競技は私を置いてどんどん進んでいく



そうして葛葉くんとは話せないまま
次には私たちの競技が迫っていた




か「緊張してきたぁー」



『玉入れだよ?』



あ「いや、玉入れを笑う奴は玉入れに泣くよ」



『何があったの……』



2人と話しながら出番が来るのを待つ



か「Aは緊張してないの?」


『...玉入れだし?』


かりんはとても緊張しているようだ



でもなんと言っても玉入れなのだ



小学校の運動会での定番の玉入れなのだ


そうおもいながら私は入場した








『え......』

か「は?!」

あ「えー...」




そこで見たのは



『でっか……』





くそでかいかごである




普通玉入れのかごと言えば

先生の腕を伸ばしたところの少し上にかごがあるくらい

およそ2.5m程だと思う



しかしこのかご


多分およそ4.5mほどある


カゴを見るだけでも首が疲れるほどの高さである



そんなかごの高さに驚きながら玉入れが始まった


上をめがけて必死にボールを飛ばす



しかし全くと言っていいほど入らない



そんなことをしていると

上ばかり見すぎたのか


ボールを踏み、そのままバランスが崩れる


転ぶ時、世界がスローモーションに見えると言うけど


それが初めて分かった


あややかりんが目を見開いてこっちを見ているのがわかる


他のチームの人も数人こっちを見ている



私は今から来るであろう衝撃に備えるためぐっと目を瞑る


しかしいつまでたっても来るはずだった衝撃がこない



目を開けてみると



「っあっぶね」


葛葉くんがいた

『葛葉くん...?』


「おー、大丈夫か?」


『だ、大丈夫』


なんだけど!葛葉くん!近いよ!




転けそうなところを助けて貰ったので

もちろん距離は近くなる



ほぼ抱きしめられているようなもので


『……葛葉、くん』


「ん?」


『ちょっと……近いかもです...』



葛葉くんは直ぐに離れる



少し気まづい空間が広がる


『っ葛葉くん!ありがとう、朝は変なこと言っちゃってごめん!』


「おう、頑張ろうな」

葛葉くんはさわやかに笑う

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作者名:しろあん | 作成日時:2023年1月28日 22時

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