1時間は君と【kzh】 (ページ12)

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「おはよー」

『おはよう、今日だよね？』

「うん、1時間目」

『かりんは今日も？』

「うん、ぽいね」

1時間目の開始が近づく

なんとなくキョロキョロが多くなる

あ「葛葉くんくるかな？って考えてる？」

『え...うん、まぁ...あとはかりん間に合うかな、とか、なんの競技出ようかな？とか』

なんだか直球で言うのは恥ずかしかったから誤魔化した

あ「来ると思うけどねぇ...」

『でももう始まるよ？』

あ「うーん……」

その時、ガラリと扉が開いた

チャイムと同時になった扉の近くには

肩で息をするかりんがいた

か「っ...セ、ーフ？」

なんだ、かりんかぁというきもちと

かりん間に合って良かったな、って気持ちと

葛葉くんは来ないのかなとか

いろんな気持ちが私の中を埋めつくしたまま

私はかりんに

『うん、ギリセーフかな』

と、答えた

かりんが席に着いて少しすると、授業が始まる

「今日は体育祭の出場競技を決めていきます」

委員長を中心に、この時間の説明が進む

か「A何出る？」

『んー、玉投げとか？』

あ「まぁそっち系だよね」

少しザワザワとしている教室で

私達も話をする

すると、教室のドアが開く

先生かな、なんて思いながらそっちを見る

そこには

「……っす」

葛葉くんがいた

来てくれたんだ

私のためじゃないかもしれないけど

やっぱり嬉しかった

「葛葉くん！！」

「体育祭出るの？！」

「えー嬉しい！」

一気に教室のざわざわが大きくなる

やっぱり人気なんだなぁ

嬉しい気持ちもあれば

なんだかもやもやする
嫉妬しているということはわかる

別に葛葉くんと付き合っている訳でもないのに

そんな自分に嫌気がさす