【刀剣乱舞】兄と弟。蝶と鶴。【男主】

第二十話 ページ21

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「いやぁ〜、楽しかったですねぇ！ね、お蝶！」

『ふふ、そうだね
しかし...矢張り、悔しいなぁ』

「手加減なしでいきましたからね！
とはいえ...あの奇襲が成功していなかったら
勝敗は分かりませんでしたよ？
僕だってかなり手こずったんですからね！」


今剣に腕と首の拘束を解いてもらった後、
今回の鬼追いの批評をしながら
二人揃って木から降りる


ひょいひょいと枝に飛び移ることを数回繰り返し、
地に足を付けた時には、三条一派と
小狐の腕に抱かれたまま眠り耽る鶴が居た

「素晴らしい身のこなしだったぞ、お蝶に今剣」

「久方振りとは思えない程でしたね...
鶴丸が寝たまま到頭起きなかったのが残念ですが」

少し眉を下げて呟く小狐から鶴を受け取り、
身動ぎをする様子を見て小さく揺する

『お褒めに預かり光栄だよ
...さて、鶴を横にしてあげたいから
屋敷の方に戻っても良いかな？』

「おお、それでは俺も戻るとするか」

「えー！お蝶と三日月、戻っちゃうんですか！？
裏山を散策しようと思ってたんですけど...」

俺と三日月が屋敷へ戻るということを告げると
今剣は残念そうに声を上げ、肩を落とした


「んー...仕方ないですねぇ...
それじゃあ岩融！小狐丸！石切丸！
僕達だけでも、散策しましょう！」

「...私は蝶丸と一緒に居たかったのですが」

「問答無用です！さぁ、行きますよ！」

俺が結った髪を触りながらあからさまに嫌がる小狐を
物ともせず、引き摺るように連れていく今剣

岩融が豪快に笑いながら小狐の肩を叩き、
石切丸はくすくすと笑いながらゆっくりと
その後ろを歩いていった


「ははは、騒がしい者共よの」

『賑やかで良いじゃないか、ふふ』

くすりと笑い合った後に、三日月に肩を抱かれるまま
裏山を後にした




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