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第三話 ページ3

そうだ、鶴。
こんなにも天気が良いのだから、
兄様とお散歩でもしてみないかい?


おさんぽ?


ああ、桜や空が綺麗だよ。


きれいなの?みたい!

________________


なかなかに侮れない、小さな弟の手を引き、
ゆったりと庭を歩く

見上げた青空は広大で美しく、
桜は威厳を放ち、咲き誇る

そして手には、小さけれども確かな感触


鶴という存在一つで、日課と化す散歩が
こんなにも輝くようなものだとは思わなかった


「にーさま、にーさま!あれなぁに?」

『あれは鶯だね。それで、あっちは蝶々』

「?にーさま?」

『はは、兄様はちよ、だよ?』

「んー?じゃあ、にーさまのおともだちかなぁ」


鶴が可愛い。平和だ。




『あ、そうだ...
鶴、おいで。兄様のお気に入りの場所に
お前を連れて行ってあげるよ』

「?」

不思議そうな顔をする鶴を抱き上げ、
軽やかに駆け出す

「わぁっ、にーさますごい!!はやぁい!」

『兄様に掴まっておくんだよ』


それぞれの羽織の装飾が揺れて、
ちりん、ちりんと音を奏でた




数分程度、鶴を抱えて走り、辿りついたのは
屋敷の裏庭


『____ふぅ...そら、着いたよ』

「わ、ぁ...!きれい...!!」



目の前に広がるのは、美しい日本庭園


咲き乱れる桜の大木、色とりどりの小さな花たち

紅色の橋がかかる清らかな川は
桜の花弁で彩られている

池では鯉が雅に泳ぎ、訪れた小鳥たちが
愛らしく鳴くこの庭は、俺の最もお気に入りの場所だ


『...綺麗な場所だろう?此処は、父様が
俺の為に作ってくれた庭なんだよ 』

「とーさまが?」

『ああ...この屋敷から殆ど出られない俺が
暇しないように、あちこちから職人や
庭師などを呼んで、作らせたんだ』


川や池は元々あったけれど、
まさか桜の大木や紅葉の木を持ってくるとはなぁ

いつも父様には、ほとほと驚かせられる



『春には桜や花たちが咲いて、

夏には青葉と清々しい空が広がって、

秋には柿が実って、紅葉が眺められる

冬には俺達と同じ、純白の雪が舞い散るんだ』


この場所はどの季節、いつ見ても、本当に綺麗だ


『四季折々の風景を一緒に眺めようね、鶴』

「うん!にーさまといっしょ!」

『そうだね、一緒だ』


可愛らしく笑う鶴につられるように、
自然に口角が緩んだ

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赤ちゃん - この作品とても好きです大好きです!一生待ってます!!!!!!!!! (2022年8月4日 1時) (レス) id: cb168f6512 (このIDを非表示/違反報告)
鈴廻(プロフ) - 続編待ってます! (2022年7月9日 19時) (レス) @page32 id: 55af1cd0b0 (このIDを非表示/違反報告)
如月こもも(プロフ) - もう5年経っているのか…未だに続編待ってます…! (2022年2月21日 8時) (レス) @page32 id: 8278e6452f (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 続編待ってます! (2021年4月29日 12時) (レス) id: c90e4aee72 (このIDを非表示/違反報告)
飯綱 - とても面白かったです!続編お待ちしております! (2020年4月16日 22時) (レス) id: b25493a2a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅もち x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 20時

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