検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:269,095 hit

第十六話 ページ17

.

「そうだ、茶会をしよう」


三日月のその一言から、
第一回三条邸茶会が開催されることとなった


____________


我等は、眠気という概念は存在するものの、
空腹感に襲われることはない

だから必然的に、飲食をする必要が無くなる


だがそれは、あくまで【必要が無い】というだけで、
まあ言ってしまえば、やろうと思えば出来るのだ


そのことを初めて知った日には、
我が身ながらなんとも便利な身体だと思った



『三日月、茶請けだ』

「おお、有難く頂戴しよう」

三日月に茶請けを差し出せば、彼は
瞳を輝かせた後ににっこりと微笑んで受け取った

綺麗に菓子を皿に盛る三日月の側では、
石切丸が手早く茶を煎れる

二人共、十年前からは想像出来ない程に
手慣れていて、少し驚いた



『おや...ふふ、鶴や。茶会と言っても
友人同士の座談会のようなものだから、
そう畏まらなくて良いんだよ』

俺の隣でちょこんと正座し、両手を膝の上に
置いて行儀良く待つ鶴の髪を撫でながらそう告げる

鶴は一瞬きょとんとした後に、ふにゃりと笑った

うん、この子あまり理解していないな...


だがそんなところもまた、
愛らしいというものだ


頬を指で優しくつつけば、鶴は楽しそうに
俺の手を小さな手で掴み、頬をすり寄せる

くすくすと二人で笑い合っていると、
此方を向く視線に気が付いた

「もう、少し目を離した隙に、
なに二人で戯れてるんですか!」

「そなた達の掛け合いは愛らしいなあ」

今剣は頬を膨らませながら此方を不満げに眺め、
三日月は菓子が綺麗に盛られた皿を
それぞれに配りながら、目を細めて微笑んだ

鶴とは逆の、俺の隣に座る小狐は
何も言わないものの、俺の肩に凭れ掛かり
つんとそっぽを向いている

ふわふわの毛並みが、頬をくすぐる



「はは、ほら皆、姿勢を正して」

石切丸の声掛けに、渋々と姿勢を正した今剣と小狐

三日月は相変わらず朗らかに微笑み、
岩融は豪快に今剣の頭を撫で、座り直す

俺も軽く襟を直し、鶴の髪を整えた



「三日月、声掛けを」



「ああ








____これより、茶会を始めようぞ」



凛とした声により、華やかな茶会が始まりを告げた

第十七話→←第十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (590 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1185人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 男主 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤ちゃん - この作品とても好きです大好きです!一生待ってます!!!!!!!!! (2022年8月4日 1時) (レス) id: cb168f6512 (このIDを非表示/違反報告)
鈴廻(プロフ) - 続編待ってます! (2022年7月9日 19時) (レス) @page32 id: 55af1cd0b0 (このIDを非表示/違反報告)
如月こもも(プロフ) - もう5年経っているのか…未だに続編待ってます…! (2022年2月21日 8時) (レス) @page32 id: 8278e6452f (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 続編待ってます! (2021年4月29日 12時) (レス) id: c90e4aee72 (このIDを非表示/違反報告)
飯綱 - とても面白かったです!続編お待ちしております! (2020年4月16日 22時) (レス) id: b25493a2a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅もち x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。