【刀剣乱舞】兄と弟。蝶と鶴。【男主】

第十五話 ページ16

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目を細めて三日月の手を受け入れる鶴と、
鶴の頭に触れたまま硬直した三日月

三日月は暫く固まっていたが
次第に頬を綻ばせ、嬉しそうに俺の方を見た


「ち、蝶丸...！鶴丸が、お、俺の手を...！」

『ふふ、落ち着いて三日月
良かったじゃないか
鶴も成長したねぇ...兄様は嬉しいよ』


興奮したように、しかし優しく
鶴の髪に指を通す三日月を見て、小狐や今剣も
そろそろと鶴に近寄る


「成程...髪質は矢張り蝶丸寄りですね」

「ぼっ、僕にも撫でさせて下さい！」


毛束を長い指に絡めて興味深そうに呟く小狐と、
大きな瞳を輝かせながら頭を撫でる今剣

鶴は目をぱちくりさせていたが、
抵抗することなく大人しくしていた



「ふふ、三日月は鶴丸に骨抜きのようだ」

『鶴は花のように愛らしいからね...
自慢の弟だよ 』

「兄が美しいから、弟は愛らしいのだろうね」

「事実、三日月も小狐丸も今剣も、
お主に心酔しているようだしなぁ！」


珍しく悪戯に微笑む石切丸と、
大きな手を俺の肩に置きながら笑う岩融

心酔だなんて...

俺が困った風に笑えば、二人は
顔を見合わせて小さく笑う



「どうやら蝶丸は自覚が無いようだぞ？」

「普段は鋭いのにね...、くす」

「蝶丸と疎遠になった十年間の初めの方など
目も当てられぬ程だったのになあ！」

「今となっては思い出話のようなものだ」



小声でぽそりと話した石切丸と岩融は、
再び楽しげに笑みを零した

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