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第十四話 ページ15

『さぁ、此方だよ、鶴』

「う、うん...」


不安気に俺の手を握る鶴の髪を撫でながら、
三条殿の屋敷の門をくぐる

視界に入った庭はやはり美しく、
隅の方では大木が豊かに青葉を実らせ、
透き通った池には悠々と鯉が泳いでいる


少し歩いた後に、
玄関の戸を開け奥へ呼び掛けると、
まもなくして軽やかな足音が聞こえてきた


「お、ち、よぉおおおっ!
会いたかったですよおお!」

『っと...俺も会いたかったよ、今剣
元気そうで良かった』


まず、一番に飛び出してきたのは今剣

大太刀であるにも関わらず、
軽い足取りで飛び付いてきた彼を何とか受け止める

大きな瞳をきゅ、っと細めて笑うさまは、
何とも愛らしい



「待っていましたぞ、蝶丸
今日こそはこの小狐の毛並みを整えて下され」

『ふふ、勿論だよ、小狐
今日も美しい髪だね』


二番目に小走りでやって来たのは小狐丸

頬を撫でれば、艶やかな髪を揺らして
嬉しそうに口角を上げる



「お蝶、よくぞ来てくれた...っ、と...!」

『おや、危ないよ三日月
ゆっくりでいいからね
出迎えてくれて有難う 』


袖をひらひらとさせながら
微笑んで駆け寄ってきたのは三日月

おっとりとした彼は案の定躓いてしまい、
腕を伸ばして抱き留めれば
頬を染めて俺の腰に腕を回した



「よく来たね、蝶丸
少し予定の時間より遅かったから
心配していたのだけれど...
その様子からして大丈夫かな」

「がっはっは!!今剣が寂しがっていたからなぁ!
存分に構ってやるのだぞ!」


後から来たのは、
お淑やかに歩く石切丸と、
対照的に大股で勇みよく歩く岩融


『ああ、勿論だとも岩融

心配を掛けたね、石切丸
ふふ、鶴がぐずっちゃってね...
いっそのことと思って、連れて来たんだ 』

「にーさま...っ、」

俺の羽織を握り締めている鶴の
背中を優しく押して前に出すと
三日月は美しい瞳を途端に輝かせた

『三日月は鶴が気に入ったようだね』

「はは、そなたに似て愛らしいからなぁ
して...よく来たな、鶴丸よ。歓迎するぞ」


ふわりと微笑んだ三日月は、
片手で袖を抑えながら鶴に手を伸ばすと

鶴は肩を跳ねさせ俺の手を握る


そして、



しっかりと黄金の瞳で三日月を捉え、
その手を受け入れたのだ。








____________
神隠しモノを書こうと思うんですが...
どうですk((

詳しいことはコメント欄に記載しているので、
良ければご覧下さい。

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赤ちゃん - この作品とても好きです大好きです!一生待ってます!!!!!!!!! (2022年8月4日 1時) (レス) id: cb168f6512 (このIDを非表示/違反報告)
鈴廻(プロフ) - 続編待ってます! (2022年7月9日 19時) (レス) @page32 id: 55af1cd0b0 (このIDを非表示/違反報告)
如月こもも(プロフ) - もう5年経っているのか…未だに続編待ってます…! (2022年2月21日 8時) (レス) @page32 id: 8278e6452f (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 続編待ってます! (2021年4月29日 12時) (レス) id: c90e4aee72 (このIDを非表示/違反報告)
飯綱 - とても面白かったです!続編お待ちしております! (2020年4月16日 22時) (レス) id: b25493a2a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅もち x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 20時

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