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黎弥 side
壇上から降り彼女の元へ向かう
呼び止めるメンバーの声を無視して
ファンの間を通り抜け彼女の手を掴む
泣いているのか肩が少し震えている
今抱き寄せたら君は怒るだろうか
そんなこと考えてもしょうがない目の前で好きな子が泣いているから
それだけの理由で俺は君の手を引き正面から抱きしめる
黎「好きだよ、Aちゃんが好き」
彼女の耳元でそう呟く
あの日言えなかった言葉を
想いを
君に伝えます
黎「あの日何であんな言葉を言われたのか全然わかんなくて、玲於くんに聞いても俺は何も知らないって言われて、メンバーからは忘れろなんて言われた」
黎「でも、今日まで全然忘れられなくて、もっともっと気になっちゃって、何で泣きそうな顔して言ってきたのかわからないし、一回振られちゃったけどまだ好きなんだ、今度は返事ちゃんとしてくれませんか？」
震えながら首を縦に振る彼女
伝えられたことに少し安心して周りを見る
やばい
俺と彼女の周りはファン
言っている内容は聞こえないにしろこの状況は結構まずい
メンバーの方に目を向けると呆れたようにこっちを見ているこれは後で説教だな
急いでその場から離れようとテントに向かう
が、ファンの方に押されなかなか進まない
‘だれ！？”
‘黎弥くん！どうゆうこと！！？”
‘何その女！最悪！”
口々聞こえる声
彼女に聞こえないようにそっと耳を隠しながら進む
時間は少しかかったものの俺たちが休憩するテントにたどり着き、椅子に座らせる
少し落ち着いたのか彼女の涙は止まっていた
流石に長い時間一緒にいると誤解させそうだからステージに戻らなければ
黎「俺ステージ戻るけどここにいてね？」
彼女に目線を合わせ言うと真っ直ぐ俺を見て頷いた
こんな時でさえ可愛いと思ってしまうのは重症だろうか
スタッフさんに事情を説明し俺はステージへと戻る
前を見ると自分で説明しろよと言いたげな表情をしていて、
ファンを見ると状況が飲み込めていない顔している
これは弁解しないとまずいな
何とか誤解を解いた(嘘をついた)が
その場を収めることはできた
その後順調にことを進めイベントは終わった
最中は後でちゃんと説明しろよなんて全員に言われ俺のとった行動に反省するしかない
しばらくして彼女の待つテントに向かう
なんて声をかけたらいいだろうか
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年8月15日 23時
