love at first sight (ページ29)

今日:4 hit、昨日:10 hit、合計:55,513 hit

28 ページ29

you side

あの日から数日が経ち夏休みも中盤にさしかかってきた

夏らしいこともせず課題に追われる日々の中、毎年恒例化しているお泊まり会とやらを悠としている

お泊まり会といえばいいのだが、ただ単に悠がわたしの家に入り浸っているだけである

長くても3日のお泊まりだが今年は1週間が経とうとしている

『悠さん、悠さん、わたしの家そんなに快適ですか？』

なんて、テーブルに課題を広げながらスマホを触っている彼女に聞く

悠「当たり前じゃん、一人暮らしにしてはでかすぎる部屋。食材だってたくさんあって私の服も置いてある！第2のマイホームだよ」

『服はあなたが勝手にクローゼットに入れてるだけでしょ』

自信満々に言うが本当のことだ、カップル並みに悠のものが部屋に置いてある、下手したらわたしの物より多いのではないだろうか

すると悠が先程のだらしない体制から背筋を伸ばし真っ直ぐわたし見てくる

『ん？どうしたのー』

悠「そろそろ本題に入りたいんだけどさ」

『なんのこと？』

曖昧に返事しながらレポート書き進める

悠「A 、あの日何があったの？」

あの日とは、あの日だろう

その言葉に手を止めてしまう

『え？いつのことだろう』

動揺がバレないように手を動かす

悠「わかってるでしょ、東京行った日よ。2日目の夜泣きながら電話してきたじゃない？理由を聞こうとしたら、今はまだ聞かないでなんて言うから、ずっと言わなかったけど、もう行ってくれてもいいんじゃない？」

ああ、やっぱり彼女に嘘はつけないみたいだ

悠「強制して話させたりはしないけど泣いていた友達をほっとくほど私薄情な女じゃないよ。あと、隠し事禁止でしょ？ゆっくりでいいから話して」

彼女に隠し事がしたかった訳じゃない
まだ心の整理ができていないからだ

でもきっとわたしだけじゃ何もできない

わたしは彼女の存在に感謝しても仕切れないだろう

『っ、そうだよね、ごめんね。今から話すよ。』

応援している人に会ったこと

手を引かれたこと

話せたこと

一緒に遊んだこと

想いを伝えられたこと

そして傷つけてしまったこと

最初から最後まで少し視界がぼやけながら全て彼女に話した

『、、、でも、いいの。きっと彼は忘れてるから、それにわたし酷いことしちゃったから』

無理に笑ってみせた、誤魔化せたかな