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バスはまだ降りる予定のバス停に着きそうにない。普段はスムーズに定刻通り進むバスも、通勤ラッシュの時間帯だとバスの進みも遅くて時間がかかる。
大学の一限目が始まるまではまだまだ余裕があるから、遅刻の心配はなさそうなのが救いだ。
そもそも、潤と和也の通う大学は近いけど違う場所にある。
先に潤がバスを降りて、和也の大学の最寄りのバス停は、そこから3つ先。
いつもなら、潤が「気をつけて行けよ」などと和也に声をかけて先にバスを降りるのだが…
今日の和也はなんか心配で。このまま和也を一人でバスに残して大丈夫だろうかと、潤はさっきからずっと考えていた。
和也に体調悪いんじゃないか？とストレートに聞いたところで、どうせのらりくらりと適当にかわされるに決まってる。
子供の頃から、ちょっとしたかすり傷とか、大したことない時は大袈裟に騒ぐくせに、本当に体が辛い時ほど、和也は人には言おうとしないのだ。
和也を大学に送ってから自分の大学へ行くべきか…それだと時間ギリギリになるかな、なんて潤が考えていたその時。
和也が吊革から手を離し、両手で顔を覆ったかと思うと、和也の体が、カーブでもなんでもない所で大きくぐらりと揺れた。
「和にぃっ？！」
慌てて和也の体を支えると、和也もなんとか近くの座席を掴んで、倒れずに済んだ。
「どうした？気分悪い？！」
「…ごめん、へーき」
マスクしててもわかるくらい真っ青な顔色の和也に言われても、全然信用できない。
「暑いからかな…マスクはずしていい？」
和也がマスクに指をかける。
「マスクの問題じゃないと思うけど、息苦しいならはずしていいよ」
和也は心臓移植を受けていて、その影響で免疫抑制剤を内服している。抵抗力も人より弱い。だから、人混みでのマスク着用は必須だった。
混み合った車内で、何事かと潤と和也に乗客たちの視線が集まるのを、潤は背中で感じていた。見られていると思うと、余計に焦ってくる。
今までも、和也が倒れることはよくあった。心臓移植を受ける前は、それこそ何度も。
目の前で発作を起こして倒れて、震える指で救急車を呼んだこともあった。
けれど、バスの車内で倒れたのは初めてだった。
和也が倒れないように体を支えながら、潤は頭をフル回転させる。
どうする？緊急停止ボタン押す？いや、それは電車か。救急車？でもそこまで重病には見えないし…
どうしよう。次のバス停でひとまず和也を降ろして、タクシーを呼ぶべきか…
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千智(プロフ) - エミーノさん» お褒めいただきありがとうございます。renさんの作品の雰囲気と、Stillがうまく融合できたらいいなぁと思いながら書いてます。 (2021年3月6日 22時) (
レス) id: 5441d66b3a (このIDを非表示/違反報告)
千智(プロフ) - なみさん» 以前、Stillは番外編もたくさん書いたから、もう書くことない、なんて言っていた私ですが、また書いちゃいました。Stillの和くんたち、やっぱりまだ書きたい場面たくさんわいてきて。renさんとコラボできたおかげですね。需要があればもっと書きたい気持ちでいっぱい。 (2021年3月6日 22時) (レス) id: 5441d66b3a (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - 大好きなstill...が動き出した事、ありがとうございます！楽しみにしています！ (2021年3月6日 19時) (レス) id: d3553e1c3d (このIDを非表示/違反報告)
エミーノ(プロフ) - 千智さん、そうなんですね〜、すごいなあ！ほんと新鮮でした。お二人とも文才があるから、こうやってコラボ作品のトーンを揃えていくんですね！ますます続きも楽しみです。 (2021年3月5日 22時) (レス) id: 0d7547df4a (このIDを非表示/違反報告)
千智(プロフ) - エミーノさん» いらっしゃいませ。スピンオフ、今日公開した1を書いたのは私です〜^_^ 私の作品は一人称ばかりでしたから、三人称で書くと違って見えましたかね？なんか嬉しいです。 (2021年3月5日 22時) (レス) id: 7013b25d47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千智×ren
x他1人
作成日時：2021年2月28日 21時
